確率密度分布を調べるとレバナスのギャンブル的特性がわかったので対策する

資産形成&節約
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みなさんはレバレッジ投信を保有していますか?僕はポートフォリオ内で5%ほど保有しています。手を出したのは最近ですが、驚くほどに大赤字を垂れ流している最中ですw

22年6月4日時点のポートフォリオ。レバレッジファンドは5%くらい

SNS上でいつも論争の的となっている”レバナス”ことレバレッジNASDAQ100商品、今日もどこかで不毛な議論を続けられていることでしょう。賢い方はそれらを見ないほうがいいと思います。双方ともに言い合ってるだけで、全く生産的ではありません。万が一まともなことを言っているとしてもムダです。相手に聞く耳がない状態で叫んでも意味ないのは明白でしょう。

このブログではそのような論争からは距離をおいて、極めて客観的にレバナスがどんなものなのか?レバレッジはどれくらいに留めるべきなのか?を考えていきたいと思います。レバナスの好き嫌いに関わらず、定量的で納得感ある分析結果を示し、役に立つ情報を届ける所存です。この記事がそんな人の役に立てばそれ以上にうれしいことはありません。

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以前の分析「レバレッジは1.8倍で中央値が最大になる」

以前にランダムウォーク理論(幾何ブラウン運動モデル)をかじりたての時に分析したのが上の記事です。この記事では中央値(そのリターンを上回る人が50%になる値)はレバレッジ1.8倍付近になると述べていました。左右対称ではない分布においては中央値が一般的に言う期待値的な意味を有してると考えていたからです(※厳密には期待値とは異なるのでご注意)。

ただ、最近統計に対する理解が深まり、これだけでは短絡的であると思うようになりました。それは中央値が同じでも全く異なる特性になりうるということです。

上のグラフはNASDAQ100の5年後の確率密度分布と、それと中央値が同じになるようにイジったものをプロットしています。横軸は規格化評価額で1だと元本と同じ、1より大きいと儲かっているという意味です。

2つのデータは中央値が同じなのに、特性は全然異なるのがわかるかと思います。NASDAQ100は分布のピークが1よりも右にあり、分布が全体的に右に偏っていますよね。これは儲かる人が多く、損する人は少ないという理想的な投資の挙動です。

一方でイジったものはピークは1よりも小さくなっていて、大儲けする人が増えているのがわかります。つまりは大儲けか大損かの2極化が顕著に出ている分布になっているのです。平たくいえばギャンブルっぽい特性と言っていいでしょう。

これらは同じ中央値なのにこんなに特性が異なるのです。だから中央値だけで議論するのは危険かもしれない、と僕は最近考え始めました。

前提:使用するデータの考え方

統計値は週毎のデータを分析したものです

ここからレバレッジが確率密度分布にどのように影響を与えるかを考察していきます。そこで重要になるのが使用するデータです。

今回は2つの考え方で分析を進めます。1つ目は過去最悪レベルを想定して、悲観的な予測をするものです。最悪でも○○だから、こうしとけばいいだろう、そんな考え方ですね。

もうひとつはサンプルデータが存在する限り全て使うというもの。これは統計値は基本的にサンプルデータが多いほうがノイズが少なくなる、という考え方に基づいています。どっちかと言うと僕はこの考え方が好きかな。

データ使用範囲を明示すると上図のようになります。安全重視はけっこう悲観的で厳し目の計算になりそうですよね〜。

以下は双方のデータを明示して、時には比較を交えていきます。どちらのデータを参考にするのかは、みなさんがどのような考え方で投資商品を選ぶか次第です。

レバレッジが確率密度に与える影響

まずはレバレッジをかけたときの基本的な挙動を見ていきましょう。

上は安全重視のデータを用いて、レバレッジ倍数を振った時の確率密度分布を示したものです。代表として5年後の分布をプロットしています。

ここからレバ2倍、レバ3倍と倍数を上げていくほど山が左に偏り、右側の裾野が伸びていく様子が見て取れますよね。これはリターンが2極化していることを示していて、一般的にはギャンブル的な挙動が増していると言っていいでしょう。

まあいくらレバナスを盲信しているホルダーの方と言っても、レバレッジが投機性を上げる行為だということは理解しているはずです。これはそれを示しているだけに過ぎません。

一方で気になるのは「長期投資をした時の挙動」です。上の挙動があるからと言って、長期投資に向かないというわけではないので。

まず上図はレバレッジをかけていないNASDAQ100(安全重視データ)の1年後、5年後、10年後をプロットしたものです。NASDAQ100は悲観的な観測をしたとしても優秀な指数で、時間を経るごとにピークは右に動き、裾野も右に伸びていってます。つまりは長期でやればやるほど大儲けする人が増えて、損する人も減っているのです。まさに理想ですよね。

一方でレバレッジ2倍をかけたものが上のグラフになります。先程のレバ無しとは少し挙動が違いますよね。裾野が右に伸びていくのはいいのですが、ピークが左に移動していっているのがわかるかと思います。これは時間とともに大儲けする人が増え、大損する人も増えているという意味です。まあ平たく言うと時間とともにギャンブル化していってるというわけ。ただ、以前の主張通り中央値は上昇しています。これをどう捉えるか次第ですが、このままでは長期投資の最大のメリットである「みんな幸せになれる」には到達しなさそうです。

ギャンブル化させないためのレバレッジ倍数を考える

ここまでの分析は特に断ってはいませんが、幾何ブラウン運動モデルを使って確率密度分布を算出したものです。この場合、結果は対数正規分布と呼ばれる分布で表されるため、中央値や最頻値、期待値や平均などの統計数は簡単に計算できます

上で述べたレバレッジの問題点(というか気持ち悪いところ)は「時間とともに山のピークが左に寄っていく」ことでした。言い換えれば、最頻値が下がっていってるのが問題です。最頻値は上図のように式で表現されるため、指数関数のカッコ内がプラスになっていれば時間とともに山のピークは左に行かないのがわかります。

レバレッジをL倍とおけば、最頻値と中央値は上のように表現されます。ここでS0は株価の初期値、tは時間です。特に気にしなくてOK。

この指数関数の中身(二次関数)だけを取り出してプロットしたのが以下のグラフです。

データは安全重視のものを使用しています。ここから、最頻値はレバレッジを1以上かける場合はどうやっても良い方向にはいきません。頂点がレバレッジ1以下のポイントにあり、1以上の領域は右肩下がりにならざるを得ないので。これがレバレッジはどうやっても投機的になるという最も納得いく説明ではないでしょうか?

一方で中央値はレバレッジ1.9倍まで上がり続けるので、できるだけレバレッジをかけたいところではあります。この辺は考え方次第ではあるのですが、僕なら最頻値が0になるポイントである1.3倍くらいを上限にするのがいいかな。つまりはレバナスはサテライト投資にとどめておくのがぴったりだと言うことです。

ちなみに使用するデータを「サンプル数重視」にすると上図のようになります。レバレッジ1.8倍までは最頻値も右に動いていくので、意外とレバナスの2倍も悪くなさそうです。だからと言って全力はやりすぎだとは思いますけどね。

実際に安全重視データにてレバレッジ倍数を1.3にしたデータが上図です。時間とともに右側は裾野が広がって大儲けする人が増えている一方、ピークの位置は動いておらず大損する人も過度に増えていません。これなら長期投資使っても良い特性だと思います。

ついでにサンプル数重視データにてレバレッジ倍数を1.8にしたデータも下に示しておきます。

これを受けての僕の作戦

上図は僕の現状のポートフォリオです。最近レバナスを買い進めているものの、買ったそばから下がりまくってるので、比率が大して増えていません。今のところはポートフォリオとして見かけのレバレッジは1.05倍です。1.3倍に収めるためには比率を30%以下にしておけばいいので、まずはそれ以上は買わないようにしておくつもり。

結論:最頻値も意識しながら、自分の考え方でレバ倍数を設計しよう

というわけで、以前の検討も踏まえながら整理した結果が上の表です。

まずはご自身が統計分析するとしたらどういうデータを使いたいかを考えて見てください。最悪期でも大丈夫にするのか?それとも、無感情にサンプルとして取り込むのか?分析する目的に沿って選ぶのが普通でしょう。

そうした時に適正レバレッジとして2つの想定を今回考えました。長期投資のよさを引き出すために最頻値が左に動かないように設計する「守り重視」と、あくまで中央値リターンを追い求める「攻め重視」の2つです。それに前述のサンプルデータの考え方をあわせて、パターンは4通りでしょうかね。みなさんの考え方はいかがでしょうか?

僕はデータはサンプル数ある限りとって、最頻値は左に動かないようにしたいかな。なのでレバレッジは1.8倍以下にしたいと思います。まあ現時点でポートフォリオ内の5%しか占めてないから、1.8倍までにはならんでしょうな。

そして最も重要なのは、ここで定義しているμもσも過去の統計値をベースにしていることです。受験で言うと過去問の傾向を分析しているようなもの。傾向をガラッと変えられないという保証はどこにもありません。なので、ここで分析した数値に固執することには何の意味もないと理解してくださいね。あくまで気休めだよ、気休め。

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