S&P500 ETFは意外と高配当?SPYDとVYMよりも実は高配当説を検証する

資産形成&節約
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みなさん、配当金は好きですか?僕はどちらかというとアンチ高配当でして、投資方針はキャピタルゲインしか考えておりません。けれでも、たまに配当金(分配金)が振り込まれると、なんとも言えないうれしい気持ちになるのはわかります。不労所得ってほんとうに蜜の味なんですよね。

上図はぼくの現在のポートフォリオなのですが、この中でも1557や1655は分配金をたまにくれる存在です。先日も1557から分配金が振り込まれてきて、少しうれしい気分になりました。

その時に気づいたことがあります。なんだか分配金が年々増えてきているように思うのです。もちろん投資額が増えているのも要因でしょうが、それにしても増えている気がするんですよね・・・。

というわけで今回はS&P500 ETFの分配金は増えているのか?実は時間が経てば高配当銘柄になるのでは?とふと思ったので、それを検証してみたいと思います。この記事がこれから米国株投資を始める方の参考になれば、それ以上にうれしいことはありません。

詳しい説明はYouTubeでぜひ!

ほんとうに分配金は増えているのか?

昔にもらった分配金のデータを引っ張り出してみて確認してみました。

やはり僕の感覚は間違っていませんでした。4年前の2018年に比べて20%も増えています。これはなぜなんでしょうか?

分配金はその時の配当金を出す企業の状況やらも影響するので断定的なことは言えませんが、主にはS&P500自体の上昇が影響していると思われます。実際に、それぞれの権利落ち日のSPY(S&P500 ETF)の価格を調べてみると28%UPしていました。おおよその分配金比率は同じで株価自体が大きくなったのが、今回僕が感じた配当金が増えているという感覚につながったようです。

こういう結果を目の当たりにすると「実はS&P500 ETFって高配当銘柄より高配当になりうるんじゃね?」という疑問が湧いてきませんか?配当を狙ったわけじゃないけど、結果的に高配当になる。なんだかロマンがあっていいじゃないですかw ということで、実際に巷で人気の高配当銘柄と比較をしてみましょう。

S&P500 ETFが高配当銘柄を配当金額で超えるのはいつか?

VYMSPYDSPY
銘柄名Vanguard High Dividend Yield ETFSPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETFSPDR S&P500 ETF
信託報酬0.06%0.07%0.09%
5年
トータルリターン
8.31%6.74%11.01%

今回は高配当銘柄として人気のVYMとSPYDをチョイスしてきました。これらとS&P500 ETFの定番SPYの分配金を比較していきます。まずは比較の前に、それぞれの銘柄について中身を知っておきましょう。

VYMSPYDSPY
銘柄名Vanguard High Dividend Yield ETFSPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETFSPDR S&P500 ETF
ベンチマークFTSE High Dividend Yield IndexS&P500 High Dividend IndexS&P500
詳細高配当利回り銘柄に 時価総額加重平均S&P500銘柄から 配当利回り高い 約80社に均等割時価総額上位500社に 時価総額加重平均

これらの銘柄はどれもパッシブ運用と呼ばれる、人間の意思が基本的には反映されない形で運用されています。運用方針はルールが定められているだけ。もちろんそのルールは銘柄ごとに異なります。

VYMは米国株の中でも高配当利回りの銘柄に絞って、それらに時価総額加重平均で分散投資したものです。なので必然的に配当金は一般的なS&P500インデックスなどに比べて高めになります。時価総額加重平均で投資しているのはVanguardらしいところですね。CAPMの考え方に基づいて、可能な限りシャープレシオを上げようとする気概が感じられます。

一方のSPYDはS&P500銘柄の中から高配当銘柄を約80銘柄選んできて、それらを均等割で投資しているようです。この分散投資のやり方の違いがVanguardとの考え方の違いですね。僕はCAPM信者なので、時価総額加重平均のほうが好きかな。勢いある会社の比率を上げていくのって、凄く理にかなってると思うんですよね。

具体的な構成銘柄も調べてみました。前述の考え方どおり、VYMはSPYから無配当の銘柄を引っこ抜いたような感じに見えます。そしてSPYDはほぼ均等割になっていますね。全然知らない会社ばっかだわ。

配当金逆転は果たして可能なのか?

まず僕の思いつき(配当金逆転)が起こるためには、各銘柄の評価額を比較したときにS&P500が圧倒的であることが必要です。手っ取り早く5年チャートを見てみることにしましょう。

上図で見る感じはやはり時価総額加重平均型のSPYとVYMは強く、特に配当などの制約を儲けないSPYが他を2倍以上のリターンを叩き出しています。やはりCAPMは最強なんやな、そう思わせてくれる結果です。

続いて分配金利回りのデータも調べられるだけ調査しました。ここは流石に高配当と言われるだけあって、VYMとSPYDの配当は凄いものがありますね・・・。SPYの約3倍くらいあります。つまりは成長で3倍くらい差をつければ、分配金金額の逆転が起こるということでしょう。

さっそく検証してみよう

今回は特に難しい処理をせず、単純計算で比較してみることにします。考え方は上記のとおり、対象銘柄の期間を揃えて統計処理し、そのデータを使って互いの配当金金額を比較してみましょう。相対比較なので細かいことは気にしない、そんな考え方ですw 簡単のために、分配金利回りは前述の過去の履歴を平均したものとしました。株価自体の計算はμとσから幾何平均リターンを算出して計算することにします。

VYM vs SPY

分配金金額の比較

まずはSPYとVYMを比較してみました。上図は分配金の金額そのものの比較です。各銘柄の評価額は幾何平均リターンを用いて単純計算しています。すると、計算期間内の値動きのペースで上昇すれば、46年後あたりでSPYとVYMの分配金は逆転しそうです。

分配金の積算値

続いて分散金の積算値(0年〜X年までの分配金を足していった値)でも比較してみます。そうするとさらに差を縮めるのは困難で、追いつくまでに62年間かかりました。

なので、さすがに46年や62年もかかると生きてる間に追い越すのは難しいかもしれません。分散金の金額自体や毎回分配金を貯めていくスタイルなのであれば、VYMを買ったほうが幸せになれそうですね。

SPYD vs SPY

続いてSPYDとSPYを比較してみます。これは結構現実味を帯びる計算結果で、17年後ごろに逆転しそうな結果です。みなさんはどれくらい投資を続けられますか?もちろん僕は30年〜40年は続けるつもりですから、この17年で逆転しそうなら高配当目的であってもSPYDよりSPYのほうがいいんじゃないかな?と思います。直近で高配当がほしい!って方にはもちろんSPYDでいいと思いますよ。

分配金積算値での比較

続いて積算値でも見てみます。こちらは27年後ごろに逆転するようです。27年後か〜、まあギリギリだな。

補足:でもやっぱりトータルリターンが大事だと思うよ

上記は”過去の値動きのまま成長していったら?”のトータルリターン(配当は再投資)を計算したものです。結局、投資の目指す姿って「できるだけ少ないリスクで大きいリターンを得る」だと思うんですよね。そしたら、やっぱりトータルリターン(とリスクもだけど)で評価すべきじゃないかな?と僕は思います。それで見ると言わずもがなSPYは他を圧倒する成績です。リスクσも大差ないし、SPYDの方がだいぶ大きいくらいでした。僕はSPY一択だな。

結論:S&P500 ETFも意外に高配当だがVYMには負ける

今回の計算を実際する前には”どうせSPYが全部逆転していくんだろ?”と思っていましたが甘かったです。意外にVYMのパフォーマンスが良くて、それが発見でした。さすが安定の時価総額加重平均です。

まあモノ好きな方はS&P500 ETFの高配当化を狙っていくのも楽しいかもしれません。上記は代表的なS&P500 ETFを並べたものです。できるだけ配当をいっぱいもらえそうな銘柄を選ぶなら、王道のVOOか国内ETFの1557(SPY)がいいかなと思います。年に4回分配金をもらえるというのは結構楽しいものですよ。

というのも、インデックス投資って暇なんですよねw それが最大の弱点じゃないかな?とも思うくらいです。そんな中、分配金はささやかな楽しみになりうるでしょう。当然税金分だけ非効率なんですが、それよりも投資やっててよかったと思える瞬間がありますよね?それが実は握力を増強してくれる可能性があるかもしれませんよ?

詳しい説明はYouTubeでぜひ!

おまけ:資産運用おすすめ書籍

僕はほとんど読書をしません。そんな僕でもスラスラ読めちゃう良い本ばかり。どれもいいこと書いてあります。

以下の中にはKindle Unlimited(月々980円 読み放題)のサービスで利用できるものもありますのでチェックしてみてください。Kindle Unlimitedは無料期間もたまにあります、いつかはわからないけど。

僕が一番好きな本。難しい数学的な知識を必要とせず、現代ポートフォリオ理論(≒ランダムウォーク理論)をかじれます。正直な感想を言うと全ての書いてることが興味深かったわけではありません。なので隅々まで読んだわけではないですが、理論のところはとてもわかりやすいのでおすすめです。これ読んでからWikpedia見たらだいぶ理解が進みました。

インデックス投資の名著中の名著です。個人投資家にとっての投資は「ミスった者が負ける」敗者のゲームになった、というのがタイトルの由来。ここで言うミスとは、市場動向に動揺して売買してしまうことを指します。いいからインデックスホールドしとけ、という本。

インデックス投資の父でありVanguard創業者のBogle氏の名著です。僕が最も尊敬する偉人でもあります。その先見性と残された功績には尊敬の念しかありません。内容はインデックス投資のベーシックな内容ですが、後半には債券との組み合わせ論などにも言及されています。全部が全部同意見というわけではありませんが、インデックス投資を志す者であれば必読書とも言ってよいかと。

ランダムウォーク理論(株価の動きはわからないという前提を置く理論)について、歴史を交えて語った本。これも名著と言われています。理論の概念はざっくりとわかるかと。歴史の部分が長くて、そこは読み飛ばしました。

本をほとんど読まない僕が唯一知ってる作家さん、橘玲さんの本。とても読みやすい文章で書かれていて、こんな文が書きたいなといつも思ってます。僕が海外株を中心に買っているのはこの本の考え方に近いです。

この2冊は僕が初めて読んだ投資関連の書籍。当時、個別株で失敗し、偶然思うがままに買い付けた米国株インデックスETFに出会い、それにいい感触をもっていました。その感触を自信に変えてくれた本です。

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