金があったら住宅ローンの繰上げ返済よりもS&P500!その理由を語る米国株信者

資産形成&節約
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みなさん、住宅ローンの繰上げ返済は検討されていますか?僕は全くと言っていいほど考えておりません。アウトオブ眼中です。

最近よく聞かれる質問のひとつに

どうしてお金あるのに住宅ローン繰上げ返済しないの?

があります。ネットのFP(ファイナンシャルプランナー)に相談する系記事でも、しきりに「住宅ローン返済を最優先に」と語られることが多いのが事実です。確かに金利がかかっている借金をなるべく早く返済し、事実上の「勝ち」を確定させるのはセオリーと言ってもいいでしょう。ただしそれは「資産運用をしない人」が暗黙の前提とされていると思うのです。まあFPに相談するような人は資産運用なんてするわけないので、その回答は正しいのかもしれません(偏見)。

現時点の僕の資産であれば、本気を出せば住宅ローンを繰上げ一括返済することもできます。現在までの運用実績は以下の記事をご覧ください。

しかし、それでも僕は全くと言っていいほど繰上げ返済を考えておりません。その理由をここでみなさんにご紹介したいと思います。この記事が住宅ローンの繰上げ返済をご検討されている方の参考になれば、それ以上にうれしいことはありません。

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現時点の僕の住宅ローン残高

現時点の僕の住宅ローン残高は上記のとおり3350万円です。現時点の保有資産は5000万円を超えていますから、本気をだせば一括返済できる状況と言っていいでしょう。しかし僕は繰上げ返済はしないのです。

その全ての理由は金利が0.575%と低いことに帰着します。この超低金利であるからこそ僕は借金を背負い続ける判断をしているのです。詳しく見ていきましょう。

ぼくが繰上げ返済をしない3つの理由

繰上げ返済しない理由を3つに分けてご説明します。

金利が低すぎるのでS&P500に投じれば高い確率で勝てる

上図はS&P500に投資した期間と期待されるリターンを示したデータです。このデータからどんなに最悪のタイミングで投資しようとも20年後には利回り1%以上の利益が出ていることがわかります。最悪のタイミングと言うのは「3350万円をS&P500に一括で突っ込んで次の日からリーマンショックスタート」というくらいの奇跡的タイミングのこと。こんなタイミングで買うほうが難しいですよね。

さらには住宅ローンは30年以上かけて払うものだから、そんな最悪のタイミングでも平均値の11%に近づいていくことは想像に難く有りません(グラフは20年で切れていますが)。

ここで3350万円を最低期待できるリターン1%で運用しつつ、住宅ローンを返済していくシミュレーションをしてみましょう。期間は32年間です。その結果がこちら。

32年後に3350万円の元手は尽きることなく、264万円プラスの状態でローンを完済できます。これは繰上げ返済してしまっては得られなかった利益です

ちなみにS&P500の超長期平均リターン8%で計算してみると以下のような結果になります。

この場合、そもそもローンを返済しても残高が減らないという状況になります。もちろんこの成長に保証はありません。しかし現時点ではこの8%を大きく上回るペースで成長しまくってるのも事実です。35年後には億万長者かもしれません。こんなにあったら扱いきれないのでボランティアにでも回します。

これらの計算結果を見たときに、保証がないからと言って繰上げ返済する選択肢は僕にはありませんでした。みなさんはどのように感じられるでしょうか?

保険の代わりになっている

どの銀行でローンを組むかに依りますが、僕が融資を受けている銀行では団体信用生命保険とがんオプションがセットになっています。これは自分に死んだときに住宅ローンがチャラになる生命保険的な役割とガンと診断されたら住宅ローンがチャラになるガン保険の機能を有しているということです。僕が保険にお金をかけていないのはこれら住宅ローンのおまけのおかげ。

この住宅ローンの保険機能がどれくらいの価値があるかを検討してみたのが上図。生命保険とがん保険とをあわせるとだいたい年間14.2万円の機能と同等です。まあがん保険において「がんと診断されたら一括3350万円」という凄まじい保障のものはないのですが。

住宅ローン控除がおいしい

「住宅ローン控除の逆ザヤ」は最近流行ってるワードではないでしょうか?逆ザヤと言っても銀行が損してるわけではないので、表現に悪意があるような気もしますが・・・。

これは住宅ローン控除がローン残高 x 1% の税金が還付されるのに対して、金利は0.575%とめちゃくちゃ低いために起こる現象です。上の数式からわかるようにローン残高が多いほうがたくさん還付されます。つまりは繰上げ返済してはもらえないお金なのです。

ぼくが繰上げ返済を検討する状況

ここまでの話は全て「0.575%という超低金利」によってもたらされたものです。万が一、この金利が変動して暴騰した場合、ぼくは躊躇なく一括返済するつもりでいます。上記の話が全てひっくり返ってきてしまいますからね。

目安としては2〜3%くらいまで上がったら検討するつもりです。それまでの運用実績がよければその場面で躊躇なく一括返済してもいいですし、逆に金利が下がると踏んで数年待つこともできます。手元に資金があれば緊急事態にとれる選択肢が増えるのです。これが僕が住宅ローンを繰上げ返済しない一番の理由と言ってもいいかもしれません。

緊急事態とは何も住宅ローン金利が上がるだけではありません。家族が重篤な病気になったり、突然自分が病気(がん以外)になって働けなくなったり、そういう場合もありうるのです。そうした時に手元に資金が残っているということがどれだけ大事か、考えたことはあるでしょうか?そのような考えに立てば、今の超低金利で繰上げ返済するという発想は湧いてこないはずです。お金がある=繰上げ返済という発想は短絡的すぎると言ってもいいでしょう。一度ご自身で計算してみることを勧めます。

結論:手元に資金があるということが最大の保険

ぼくは考え方の根底に「常に手元資金を多く置く」というものがあります。経営者の基本として言われることですが、売上はできるだけ早く回収し、支払いは可能な限り遅らせるのです。そうすれば手元にある資金は最大化し、そこに時間と金利がプラスされ自分の資産は最大限に増えていきます。

当然なにかあったときの財政出動もスムーズにできるわけです。手元資金はいちばん大事な「保険」と言ってもいいと思います。その保険をFPやネット記事の言いなりになって「住宅ローンはできるだけ早く返済」という短絡的結論に達するのは非常に危険です。何よりも自分で考えることが重要ではないでしょうか。そうすれば、万が一失敗したとしても次の対策を打てる力がついていると思うのです。

おまけ:資産運用おすすめ書籍

僕が実際に読んで「ほんとうに良い本だなぁ〜」としみじみ感じた名著をご紹介します。どれもめちゃくちゃ良い本ばかり。インデックス投資を始めたての方におすすめです。

以下の中にはKindle Unlimited(月々980円 読み放題)のサービスで利用できるものもありますのでチェックしてみてください。Kindle Unlimitedは無料期間もたまにあります、いつかはわからないけど。

2024年の年初に亡くなられた山崎元さんの遺作。内容は父から息子への手紙をイメージして、資産運用や生き方のアドバイスをおくるというもの(実際に送られた手紙の内容もあります)。涙なしには読み切れない名作でした。投資における主張はいつもの著者のものと全く同じ。ブレないところが山崎さんの良さですね。ぜひ読んでもらいたい一冊。

かつて日本の長者番付で一位になったサラリーマンとして話題になった清原達郎氏の初めての著書。これまでメディアにほとんど出てこなかった氏の赤裸々な体験談が多数載せられています。内容は初心者向けではありませんが、どこにでも溢れているインデックス投資を勧めるだけの本に飽きた方にはとても面白いはず。かく言う私もその一人(笑)純粋な読み物としてとても面白いです。

これは最近複数の視聴者さんに紹介してもらって購入した本です。主張は題名どおり「余剰資金が出たら即刻インデックス投資せよ」というもので、僕も思想とほぼ一致しています。また、前半部分では「節約には限界がある」「収入を増やす努力をしよう」という主張もされていて、その辺も共感できる部分は多いです。とてもいい本だと感じましたので、よかったら手にとってみるとよいかと思います。

これは最近視聴者さんに教えてもらった本です。株式投資や資産運用の考え方を学ぶのに、とても素晴らしい名著だと思いました。著者はインデックス投資にも精通していることが伺える一方で、各個人の資産運用は人としての合理性も考慮すべきと説いてます。株式投資のリターンは「リスク(値動き)の対価」をわかりやすい例も含めて明示してくれていて、投資初心者の方にぜひ読んでみてもらいたい本ですね。

これは僕が最近読んでよかったと思ってる本です。マクロ経済における金利の重要性を懇切丁寧に説明してくれています。金利が経済の基本であることを再認識させられました。初心者でも読みやすいように書かれていて、とくに予備知識は必要ありません。投資タイミングに活かせるかと言えばそこは同意しかねますが、金利による経済の定性的な動きを理解するのはこれで十分と思いました。

米国の著名投資家ハワード・マークス氏の著書で、彼の著書はなんとあのウォーレン・バフェットのお気に入りらしいw バークシャー・ハサウェイの株主総会でこの本を配ったというウワサも残っています。ハワード・マークス氏自体はインデックス投資にも一目を置くアクティブ投資家で、市場平均に勝つのは難しいと認めつつもどうすれば勝てるか?を色々とアドバイスしてくれる本です。

僕が一番好きな本。難しい数学的な知識を必要とせず、現代ポートフォリオ理論(≒ランダムウォーク理論)をかじれます。正直な感想を言うと全ての書いてることが興味深かったわけではありません。なので隅々まで読んだわけではないですが、理論のところはとてもわかりやすいのでおすすめです。これ読んでからWikpedia見たらだいぶ理解が進みました。

上記の本に加えてもう少しファイナンスを詳しく知りたい方向けにおすすめです。CAPMの考え方やそれをもう一歩発展させた3ファクターモデルのことも理解できます。ほかにもプライシング理論やリスク管理などの基礎知識もこれで十分わかるかと。

インデックス投資の名著中の名著です。個人投資家にとっての投資は「ミスった者が負ける」敗者のゲームになった、というのがタイトルの由来。ここで言うミスとは、市場動向に動揺して売買してしまうことを指します。いいからインデックスホールドしとけ、という本。

インデックス投資の父でありVanguard創業者のBogle氏の名著です。僕が最も尊敬する偉人でもあります。その先見性と残された功績には尊敬の念しかありません。内容はインデックス投資のベーシックな内容ですが、後半には債券との組み合わせ論などにも言及されています。全部が全部同意見というわけではありませんが、インデックス投資を志す者であれば必読書とも言ってよいかと。

ランダムウォーク理論(株価の動きはわからないという前提を置く理論)について、歴史を交えて語った本。これも名著と言われています。理論の概念はざっくりとわかるかと。歴史の部分が長くて、そこは読み飛ばしました。

本をほとんど読まない僕が唯一知ってる作家さん、橘玲さんの本。とても読みやすい文章で書かれていて、こんな文が書きたいなといつも思ってます。僕が海外株を中心に買っているのはこの本の考え方に近いです。

この本は僕が初めて読んだ投資関連の書籍。当時、個別株で失敗し、偶然思うがままに買い付けた米国株インデックスETFに出会い、それにいい感触をもっていました。その感触を自信に変えてくれた本です。

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