コアCPIがピークアウトするのはいつ?1970年代のインフレから考えてみる

資産形成&節約
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みなさん、資産運用の調子はいかがでしょうか?先週までのイケイケムードは一転、先日の消費者物価指数発表を契機にまた下落ムードに変わってしまいました。相場は秋の空のように気まぐれです。当然、ぼくの資産も下り坂を転がっております。

22年9月12〜17日までのS&P500

上図は今週のS&P500です。記憶に新しい9月13日は4%超の下落を記録しました。実に20年6月以来ぶりで、けっこう久しぶりの下げ幅とのこと。まあ2年前の下げなんて覚えてないので、これも数年後には忘れ去られることでしょう。

一方でいつもと少し様子が異なるのは為替の動きです。13日のCPI発表後は一時円安に振れましたが、そこから日銀が口先介入を繰り返して結局為替はほぼ動かないところまで戻りました。本格的に介入するかは不明ですが、たぶん米国の合意が得られずに踏み切れないことでしょう。じきに円安圧力がかかり始めて、また円安方向にドライブしそうな雰囲気です。

今週の値動きの全ては消費者物価指数CPIの発表にあったと言っても過言ではありません。今回はその内容がどんなものだったかを振り返り、我々長期投資家が心落ち着ける日々はいつくるのか?を考えてみたいと思います。この記事がこれから米国株投資を始める方の参考になれば、それ以上にうれしいことはありません。

もう少し詳しい説明はYouTubeを見てね!

CPIショックのきっかけになった発表はどんなものだったか?

上図は最新のCPI発表を反映したCPIとコアCPI(エネルギと食品除いたCPI)です。CPIとコアCPIともに+0.2pt予想よりも上昇していました。これら両方とも同程度スライドしているということは、予想と乖離が大きかったのはコアCPIだったと解釈できます

実際にCPIとコアCPIをグラフにしてみると、CPIはピークアウトしたような動きになっているのに対して、コアCPIはリバウンドしています。本当は下に振れてほしかった物価が上ブレし、市場はびっくりしてしまったのが13日の結果です。

上図は今回のCPI発表の各品目ごとの内訳(前月比)をグラフにしたものです。これを見てみると、マイナス側に振れているのはエネルギそのものの価格だけだというのがよくわかります。みなさんご存知のとおりエネルギ価格は投機的な側面もあり、ボラティリティが高いものです。つまりはあまりアテにできる値ではありません。

そのボラティリティの高いエネルギと食品価格を除いたものがコアCPIです。コアCPIに占める品目はほぼ全て前月比プラスで推移しているのがわかります。特にCPIの3割を占める住居費が顕著に上昇しており、実質的なインフレが収まっていないことを示唆する結果と言っていいでしょう。

住居費の推移。コロナ以降、うなぎのぼりで止まっていません

市場が大幅に下落したのは、この事実にビビってのことです。

いったいいつになったらコアCPIはピークアウトするのか?

まずは前例を調べてみるところから始めます。インフレの前例といえば1970年代のインフレです。上図はその時期のコアCPIとM3マネーサプライをプロットしてみたもの。どちらも前年前月比です。

見てみると、物価のウェーブとマネーサプライのウェーブは位相がずれたような動きをしています。具体的にはマネーサプライが上下した後で物価に跳ね返ってきているような感じです。

マネーサプライがピークアウトした点に着目すると、3回あったマネーサプライのウェーブは約2〜3年ほどでコアCPIに反映されているのがわかります。もちろん当時のマクロ経済と今の経済は反映されるスピードが異なるかもしれませんが、この2〜3年というのはひとつの目安になると言っていいでしょう。

上記は最近のマネーサプライとコアCPIをプロットしたものです。これを見てみるとマネーサプライはコロナショック時に急速に拡大しており、お金がたくさんばらまかれたことがよくわかります。今のところはそのばらまきは2021年初頭にピークアウトしていたようです。

先程の1970年代の時間遅れをそのまま考慮したとすると、2023年頭〜2024年内ごろにかけてコアCPIがピークアウトするものと予想されます。そして今のFRBは当時の教訓を活かして、すぐに利下げするなどの悪手は出さないでしょう。つまりは当時よりは早めにインフレは抑え込まれると予想(期待)していいかもしれません。

まあ早くても2022年末までは市場は物価に一喜一憂しながら上下を繰り返すことでしょう。

結論:インフレがどうなろうがやることは変わらない

インフレがどうなろうがインデックス長期投資家のやることは何も変わりません。もし株価が下落の一途をたどろうとも、それを好機と捉えて買い進むのみです。それに万が一上昇していった場合も無心で買い進めていくでしょう。つまりは市場の上下なんて僕らには何の関係もないのです。

そうした戦略をとるのは、上図のようにインデックス長期投資は長期になればなるほどアクティブ投資を凌駕していく性質があるから。一般的に短期であれば市場平均に勝つことは難しくはありません。しかし長期になればなるほど、人間はミスを重ねる時も出てきますし、当然資産を頻繁に入れ替えることによる不可避なコストが評価額を圧迫していくことでしょう。

インデックス投資の父でVanguard創設者のBogle氏は今の下落相場のようなインデックス長期投資にとっての試練を”直感”や”衝動”という言葉を用いて注意喚起しています。ちょっとした思いつきでガチャガチャ資産を入れ替えればどんどんと市場平均に劣後していく。そしてその思いつきの行動が致命的な退場への一歩となるのです。

まあ短期トレードなら止めませんが、いちど長期投資をすると決めたのなら、断固たる決意をもって志を貫いてほしいですね。少なくとも僕は市場動向で投資方針がブレることは絶対にありません。

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おまけ:資産運用おすすめ書籍

僕はほとんど読書をしません。そんな僕でもスラスラ読めちゃう良い本ばかり。どれもいいこと書いてあります。

以下の中にはKindle Unlimited(月々980円 読み放題)のサービスで利用できるものもありますのでチェックしてみてください。Kindle Unlimitedは無料期間もたまにあります、いつかはわからないけど。

僕が一番好きな本。難しい数学的な知識を必要とせず、現代ポートフォリオ理論(≒ランダムウォーク理論)をかじれます。正直な感想を言うと全ての書いてることが興味深かったわけではありません。なので隅々まで読んだわけではないですが、理論のところはとてもわかりやすいのでおすすめです。これ読んでからWikpedia見たらだいぶ理解が進みました。

インデックス投資の名著中の名著です。個人投資家にとっての投資は「ミスった者が負ける」敗者のゲームになった、というのがタイトルの由来。ここで言うミスとは、市場動向に動揺して売買してしまうことを指します。いいからインデックスホールドしとけ、という本。

インデックス投資の父でありVanguard創業者のBogle氏の名著です。僕が最も尊敬する偉人でもあります。その先見性と残された功績には尊敬の念しかありません。内容はインデックス投資のベーシックな内容ですが、後半には債券との組み合わせ論などにも言及されています。全部が全部同意見というわけではありませんが、インデックス投資を志す者であれば必読書とも言ってよいかと。

ランダムウォーク理論(株価の動きはわからないという前提を置く理論)について、歴史を交えて語った本。これも名著と言われています。理論の概念はざっくりとわかるかと。歴史の部分が長くて、そこは読み飛ばしました。

本をほとんど読まない僕が唯一知ってる作家さん、橘玲さんの本。とても読みやすい文章で書かれていて、こんな文が書きたいなといつも思ってます。僕が海外株を中心に買っているのはこの本の考え方に近いです。

この2冊は僕が初めて読んだ投資関連の書籍。当時、個別株で失敗し、偶然思うがままに買い付けた米国株インデックスETFに出会い、それにいい感触をもっていました。その感触を自信に変えてくれた本です。

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