投資始めるのに一括 or 分割のどちらがいいか分析してみた結果【ぼくは一括】

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とのコメントをたくさんいただいています。こういうコメントをいただけることが何にも代えがたい喜びです。投資の裾野拡大に少しでも貢献できていることでしょう。

そしてこうした初心者の方から最も多くいただく質問が「まとまった資金を一括で入れるか分割で入れるか?」というものです。今まで投資をしてこなかった方からすれば大事なお金ですので、躊躇される気持ちはよくわかります。不安になりますよね〜。残高が減るっていう経験はなかなか堪えるものですし。

僕はこの質問には一貫して「基本的には一括投資が良い、ただし不安に思うなら一年かけて分割投資するといい」とお答えしてきました。ただ、そういう返答をしたところでデータがなければ信憑性はありません。というわけで今回は本当に一括のほうが良いと言えるのか?を過去の株価推移を使って分析してみたいと思います。この記事がこれから投資を始められる方の参考になれば、それ以上にうれしいことはありません。

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一括投資と分割投資の優劣を比較してみる

というわけで早速計算していこうと思います。その前にここで言う”一括投資”と”分割投資”を定義しておきます

”一括投資”は文字通り年初に一括で商品を買い付けると定義します。一方の”分割投資”は毎日1万円ずつの購入を仮定しておきましょう。そしてその年の年末残高で優劣を評価します。つまりはまとまった資金があってこれから投資を始めようと思う人を想定した計算です。なお、毎日1万円ずつ1年間投資をすると元本は250〜253万円程度になります。(休みもありますので)

これらの計算を代表的な銘柄 SPY(S&P500)、VTI、VT(全世界株式)、QQQ(NASDAQ100)、QLD(≒レバナス)で全て比較します。

S&P500(SPY)、VTI

まずはS&P500。2001年〜2021年の結果を並べています。この棒グラフがプラス側にあると一括投資の勝ち、マイナス側だと分割投資の勝ちです。ひと目見てわかるように一括投資が全体的に勝ち越していています。一括投資の16勝5敗です。やはり基本は一括投資というのは間違いではなさそう。

上のグラフはVTIのものですが、当然ながら同じような結果になります。

実際に一括が負けたシーンを見てみると、ITバブルやリーマン、コロナなど歴史的な暴落があった時だけ大きく負けているのがわかります。一方でごく普通の下落シーン、例えば最近の金融引き締めによる下落に似ていると言われる2018年においても、この程度の下落であれば一括が買っているのです。意外ですよね〜。

言い換えると「これからの一年で暴落が必ずくる」という自信がないのなら、一括で入れておくのがいいという意味です。

VT 全世界株式ではどうか?

VT 全世界だと2018年のほかに2010年、2011年も一括が負けています。しかしながら、これらの負けは非常に小さな金額です。大きな負けはコロナショックだけだったと言っていいでしょう。

NASDAQ100(QQQ)はどうか?

S&P500やVTIでも一括の勝ち方は凄まじかったのですが、NASDAQ100はそれを上回ってきています。なんと09年以来、一括投資が負けた年がありません。2018年〜2019年の世界同時株安があっても、記憶に新しい2020年のコロナショックがあってもです。これには驚きを隠せません。

しかもその勝ち方や負け方も豪快です。ITバブルやリーマンはこれでもか!というほど負けていますが、一方で近年の勝ち方も凄まじいものがあります。S&P500のボラティリティを上げたような動きをしている印象ですね〜。

上図はNASDAQ100の評価額推移(対数軸)を示したものです。ITバブルとリーマン以外は大して下げていないのがわかります。凄まじい成長ぶりですね。これは最近NASDAQ100投資が流行るのもわかります。

レバナス(QLD)

当然ながらNASDAQ100の値動きを2倍にした”レバナス”もNASDAQ100と同じ結果になります。ただ、縦軸の値が凄まじい数字になっていて、レバレッジのパワーと同時に恐ろしさも示す結果と言えるでしょう。普通のインデックス商品なら一括も分割も大して気にしなくてよいくらいの差ですが、レバレッジ商品となるとかなり結果が変わってきますね。

これらの結果を総合すれば、やはり勝率が高いのは一括で間違いないでしょう。

あのVanguard社もこう言ってます

みなさんも一度は耳にしたことがあるでしょうVanguard社は世界で初めてインデックス投資を売り出したファンドと言われています。VOOやVTI、VTなどは全てVanguard社の商品です。

そんな彼らがウェブサイトで上記のように明言しています。つまり、一括投資のほうがいいよ、と言ってるわけです。確かに前述の検討結果からみても、一括投資をするほうが儲かる確率が高いのは確かでしょう。

ただしそれは退場してしまっては意味がありません。分割投資は初心者にとってだんだんと慣らしていくには最適な手法です。もし少しでも不安に思う気持ちがあるのであれば、分割投資を選ぶべきでしょう。結局は正解はないので、自分のリスク許容に応じて選択するだけですね。

結論:基本は一括、不安なら分割

一括 vs 分割 は永遠の論争テーマで、いつまで経っても同じような議論が繰り返されています。それは結局は将来の株の動きがわからないから何とも言えないというのが真因です。投資の世界に絶対はありませんからね。

ただ我々個人投資家は少なくとも”確率の高い”投資先を選ぶことはできます。それは今回のようなバックテスト等で色々と検討の余地はあるはずです。いけないのは”思い込み”だけで投資先や投資手段を選ぶことだと思います。たとえ間違っていてもいいから、投資する銘柄や手段を決断する際には定量的な根拠をもってやっていきたいものです。

おまけ:資産運用おすすめ書籍

僕が実際に読んで「ほんとうに良い本だなぁ〜」としみじみ感じた名著をご紹介します。どれもめちゃくちゃ良い本ばかり。インデックス投資を始めたての方におすすめです。

以下の中にはKindle Unlimited(月々980円 読み放題)のサービスで利用できるものもありますのでチェックしてみてください。Kindle Unlimitedは無料期間もたまにあります、いつかはわからないけど。

2024年の年初に亡くなられた山崎元さんの遺作。内容は父から息子への手紙をイメージして、資産運用や生き方のアドバイスをおくるというもの(実際に送られた手紙の内容もあります)。涙なしには読み切れない名作でした。投資における主張はいつもの著者のものと全く同じ。ブレないところが山崎さんの良さですね。ぜひ読んでもらいたい一冊。

かつて日本の長者番付で一位になったサラリーマンとして話題になった清原達郎氏の初めての著書。これまでメディアにほとんど出てこなかった氏の赤裸々な体験談が多数載せられています。内容は初心者向けではありませんが、どこにでも溢れているインデックス投資を勧めるだけの本に飽きた方にはとても面白いはず。かく言う私もその一人(笑)純粋な読み物としてとても面白いです。

これは最近複数の視聴者さんに紹介してもらって購入した本です。主張は題名どおり「余剰資金が出たら即刻インデックス投資せよ」というもので、僕も思想とほぼ一致しています。また、前半部分では「節約には限界がある」「収入を増やす努力をしよう」という主張もされていて、その辺も共感できる部分は多いです。とてもいい本だと感じましたので、よかったら手にとってみるとよいかと思います。

これは最近視聴者さんに教えてもらった本です。株式投資や資産運用の考え方を学ぶのに、とても素晴らしい名著だと思いました。著者はインデックス投資にも精通していることが伺える一方で、各個人の資産運用は人としての合理性も考慮すべきと説いてます。株式投資のリターンは「リスク(値動き)の対価」をわかりやすい例も含めて明示してくれていて、投資初心者の方にぜひ読んでみてもらいたい本ですね。

これは僕が最近読んでよかったと思ってる本です。マクロ経済における金利の重要性を懇切丁寧に説明してくれています。金利が経済の基本であることを再認識させられました。初心者でも読みやすいように書かれていて、とくに予備知識は必要ありません。投資タイミングに活かせるかと言えばそこは同意しかねますが、金利による経済の定性的な動きを理解するのはこれで十分と思いました。

米国の著名投資家ハワード・マークス氏の著書で、彼の著書はなんとあのウォーレン・バフェットのお気に入りらしいw バークシャー・ハサウェイの株主総会でこの本を配ったというウワサも残っています。ハワード・マークス氏自体はインデックス投資にも一目を置くアクティブ投資家で、市場平均に勝つのは難しいと認めつつもどうすれば勝てるか?を色々とアドバイスしてくれる本です。

僕が一番好きな本。難しい数学的な知識を必要とせず、現代ポートフォリオ理論(≒ランダムウォーク理論)をかじれます。正直な感想を言うと全ての書いてることが興味深かったわけではありません。なので隅々まで読んだわけではないですが、理論のところはとてもわかりやすいのでおすすめです。これ読んでからWikpedia見たらだいぶ理解が進みました。

上記の本に加えてもう少しファイナンスを詳しく知りたい方向けにおすすめです。CAPMの考え方やそれをもう一歩発展させた3ファクターモデルのことも理解できます。ほかにもプライシング理論やリスク管理などの基礎知識もこれで十分わかるかと。

インデックス投資の名著中の名著です。個人投資家にとっての投資は「ミスった者が負ける」敗者のゲームになった、というのがタイトルの由来。ここで言うミスとは、市場動向に動揺して売買してしまうことを指します。いいからインデックスホールドしとけ、という本。

インデックス投資の父でありVanguard創業者のBogle氏の名著です。僕が最も尊敬する偉人でもあります。その先見性と残された功績には尊敬の念しかありません。内容はインデックス投資のベーシックな内容ですが、後半には債券との組み合わせ論などにも言及されています。全部が全部同意見というわけではありませんが、インデックス投資を志す者であれば必読書とも言ってよいかと。

ランダムウォーク理論(株価の動きはわからないという前提を置く理論)について、歴史を交えて語った本。これも名著と言われています。理論の概念はざっくりとわかるかと。歴史の部分が長くて、そこは読み飛ばしました。

本をほとんど読まない僕が唯一知ってる作家さん、橘玲さんの本。とても読みやすい文章で書かれていて、こんな文が書きたいなといつも思ってます。僕が海外株を中心に買っているのはこの本の考え方に近いです。

この本は僕が初めて読んだ投資関連の書籍。当時、個別株で失敗し、偶然思うがままに買い付けた米国株インデックスETFに出会い、それにいい感触をもっていました。その感触を自信に変えてくれた本です。

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