【FOMC】9月も+75bpsの大幅利上げ!当局が描くストーリーを分析してみる

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みなさん、資産運用の調子はいかがでしょうか?最近は株価が非常に低調で嫌になってきますね。僕の資産も冴えない動きをしております。

その原因は誰もが知るところのインフレと、それを退治するための利上げ(とQT)です。先月からFRBのパウエル議長はインフレと断固として戦っていく姿勢を強調しています。株価が下がろうと、失業率が上がろうと、なんとしても物価安定を実現すると堅く決意しているようです。

先日のFOMCでもその姿勢は鮮明に示されました。市場はその決意の強さに少し驚き、株価が下がっていったのです。今回はそんなインフレファイターパウエル議長率いるFRBのプレスリリースを読み解き、彼らがどんな見通しを持っているのかを分析してみたいと思います。この記事がこれから投資を始める方の参考になれば、それ以上にうれしいことはありません。

もう少し詳しい内容はYouTubeを見てね!

通常の3倍、75bpsの利上げも市場は織り込んでいたが

先日行われた9月のFOMCでは大方の市場予想どおり+75bpsの利上げが発表されました。一部の人は100bpsを予想していたみたいですが、ここは順当にきましたね。

当然市場はこの利上げを織り込んでいたはずですが、この発表後に株価は下落に転じます。なぜ下がっていったんでしょうか?

それはFOMCメンバーが今後の金利推移をどう予想しているかを投票した”ドットプロット”を見るとわかります。6月に発表されたドットプロットに対して、2022年の金利到達点が75bps程度上ずっていますし、2023年は100bpsくらい上がってますよね。パウエル議長がここ最近インフレファイター化しているのをそのまま反映するかのようなタカ派姿勢です。

FOMC前の金利先物市場の織り込み具合

上図はFOMC前の金利先物市場の織り込み具合です。2023年に着目すると、一時的に450bpsあたりまでくるが年末には425bpsあたりを予想していたようでした。それが475bps近くまで上がるというドットプロットが出てきたわけですから、株価は下がるわけです。

ちなみにFOMC後の金利織り込み具合。右側にさらにシフトした

FRBは今後どのような見通しを立てている?

FED(Federal Reserve Board)のウェブサイトにはFOMCのプレスリリースが公開されています。この中を見てみると、当局が今後の経済をどう読んでいるのかがわかるわけです。ちょっとだけ見てみることにしましょう。

まずは最も気になるインフレの鎮圧プランです。上のグラフは物価のバロメータであるコアPCEをどのような推移で下げていくかの戦略を示しています。

これを見るに2023年は3〜4%に下げ、2025年に2%に引き戻すような姿を描いているみたい。これがいわゆるソフトランディングという姿ですね。

当然なんらかの計算をしてこのデータを出しているとは思うのですが、こんなにうまくいくかは正直微妙なところです。投資家たちがハードランディングと表現する失敗する場合の代表格がデフレでしょう。上図の2%に対してコアPCEデフレーターが下振れまで行ってしまうことを指します。要するに引き締めをやりすぎちゃった場合です。

我々日本人はデフレに慣れていますが、一般的にはデフレは良い経済状態とは言えません。物価がだんだん下がっていくわけですから、人々は買うのをためらいますよね。待ってたら安くなるんだし。そうすると消費が伸びなくなり、経済は停滞してしまうのです。

続いてGDPの伸びを見てみましょう。今年は0%付近の伸びで終わるのはまあ当然でしょう。注目は23年です。中央値をみてみると1%くらいは成長しそうだと見ているようですが、気になるのはエラーバーの広さですよね。上側はともかく、下に大きく広がっているのが不気味です。これは本格的なリセッションに至るかもしれない、という当局の不安を表しています。それでも引き締めをやる、というのがここ最近のパウエル議長の方針です。なので、やり遂げるのでしょう。

そして業率も気になるポイントです。マクロ経済の世界では基本的に失業率が上がると物価は下がるとされています。なので引き締めが成功するには失業率の上昇は避けられません。これがパウエル議長が再三警告している痛みと呼ばれるものです。

先程のGDPと同じく失業率にも幅をもたせていますね。中央値は4%強と今現在の3.7%よりも上がることを見込んでいますが、その上のエラーバーは5%にまで達しています。ほんとにこれで済むのかもわかりませんが、当局は失業率はこれくらいに抑えたいという気持ちなんでしょう。

ではリセッションの指標と照らし合わせるとどんな感じか見てみます。上図は失業率をもとにしたリセッションインジケータである Sahm Ruleをプロットしたものです。網掛け部分がリセッションの時期を示しています。このSahm Ruleの値が0.5を超えるとリセッション入とみなされるのですが、それがちょうど網掛けの始まりとよく一致するのがわかりますよね。

現在の失業率はだいたい3.7%前後なので、もしこのSahm Ruleが0.5を超えてくるのは3ヶ月平均で4.2%超が続いてくるくらいのイメージですね。前述の中央値ストーリーだと4%強でしたから、ちょうどリセッションすれすれを狙っているように思われます。エラーバーの上側5%まで行ってしまうと確実にリセッション判定です。それくらいで失業率が止まればいんですけどね。5%突き破って上がっていくことも十分に想定されます。

これからの投資方針は?

いつも何も変わらなくて申し訳ないのですが、僕自身の投資方針は全くぶれることはありません。これからもタイミングを図らずに淡々と市場平均を狙って投資を続けていきます。

様々なインデックス投資の名著では「いずれ平均に回帰する」と言われたりしますよね。上図は1941年からの幾何平均リターンを用いて、1970年から引っ張った線をプロットしたものです。ここ最近のS&P500は高かったとよく言われていましたが、それがよくわかります。そして、ここ最近の下落によってちょうど幾何平均リターンあたりに戻ってきているようにも見えますね。

この株価が高かったり安かったりしてもいずれ平均に戻ってくることを平均への回帰と呼んでいるのです。

まあ何が言いたいかと言うと、株価は平均に対して上ずったり下振れしたりします。それらの動きに動揺して振り落とされてしまっては、元来の目的だった平均の線のリターンを得られなくなってしまうのです。それは長期投資家がめざす姿ではありませんよね。

結論:ここから数年は厳しい時代が続くが落ち着いて投資を続ける

最近の厳しい相場は長期投資家の胆力を試しているかのようです。実際に退場してしまった人も少なくないんでしょう。別にそれが悪いことではありませんが、残念な気持ちにはなります。

今年になってから散々な相場だった上に、今の状況はここから数年は低調な状況が続くと示唆するものばかりです。FRBの見通しにもあった通り、23年も総じて低調に進むことでしょう

それでも僕は投資を止めません。なぜなら長期投資をやっていく上で、このような低調な時期というのは幾度となく訪れるとわかっているからです。そして、その時期をピンポイントで逃れるよりも、一貫して市場平均を狙うスタイルが自分に合っていると納得していますから。

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おまけ:資産運用おすすめ書籍

僕が実際に読んで「ほんとうに良い本だなぁ〜」としみじみ感じた名著をご紹介します。どれもめちゃくちゃ良い本ばかり。インデックス投資を始めたての方におすすめです。

以下の中にはKindle Unlimited(月々980円 読み放題)のサービスで利用できるものもありますのでチェックしてみてください。Kindle Unlimitedは無料期間もたまにあります、いつかはわからないけど。

僕が一番好きな本。難しい数学的な知識を必要とせず、現代ポートフォリオ理論(≒ランダムウォーク理論)をかじれます。正直な感想を言うと全ての書いてることが興味深かったわけではありません。なので隅々まで読んだわけではないですが、理論のところはとてもわかりやすいのでおすすめです。これ読んでからWikpedia見たらだいぶ理解が進みました。

上記の本に加えてもう少しファイナンスを詳しく知りたい方向けにおすすめです。CAPMの考え方やそれをもう一歩発展させた3ファクターモデルのことも理解できます。ほかにもプライシング理論やリスク管理などの基礎知識もこれで十分わかるかと。

インデックス投資の名著中の名著です。個人投資家にとっての投資は「ミスった者が負ける」敗者のゲームになった、というのがタイトルの由来。ここで言うミスとは、市場動向に動揺して売買してしまうことを指します。いいからインデックスホールドしとけ、という本。

インデックス投資の父でありVanguard創業者のBogle氏の名著です。僕が最も尊敬する偉人でもあります。その先見性と残された功績には尊敬の念しかありません。内容はインデックス投資のベーシックな内容ですが、後半には債券との組み合わせ論などにも言及されています。全部が全部同意見というわけではありませんが、インデックス投資を志す者であれば必読書とも言ってよいかと。

ランダムウォーク理論(株価の動きはわからないという前提を置く理論)について、歴史を交えて語った本。これも名著と言われています。理論の概念はざっくりとわかるかと。歴史の部分が長くて、そこは読み飛ばしました。

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この2冊は僕が初めて読んだ投資関連の書籍。当時、個別株で失敗し、偶然思うがままに買い付けた米国株インデックスETFに出会い、それにいい感触をもっていました。その感触を自信に変えてくれた本です。

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