インフレは収まったのか?CPI下落の内容を分析してみる

資産形成&節約
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みなさん、資産運用の調子はいかがでしょうか?ぼくは最近米国株が復活してきているのもあって、今までのダメダメ状態からは脱出しつつあります。ここからなんとか調子を取り戻してほしいものですね。

昨今の下落相場の中心にいるのはご存知のとおり「インフレ」です。この諸悪の根源を抑えようと、パウエル議長を筆頭とするFRBインフレファイターズが戦っています。

そのインフレに対する最も重要な指標が「消費者物価指数CPI」なのは言うまでもありません。今回は先日、発表があったCPIの内容について、いろいろと考察してみたいと思います。この記事がこれから投資を始めようとする方の参考になれば、それ以上に嬉しいことはありません。

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CPIの結果を見てみよう

上図は8/10に発表された消費者物価指数の結果を反映したグラフです。ここ最近1年以上は結果が予想値を上回っていましたが、今回はなんと結果が下回ってきました。これは完全に予想外でありながら、嬉しい結果ですね。

CPI、コアCPIともに0.2%ほど予想値を下回ってきており、FRBによる引き締め効果が出てきているのか?と期待してしまいます。ただ、このCPIという指標は単純ではなく、色々なコモディティに対して重み付けをして計算されているものです。まずは、各商品の価格変動を見てみましょう。

これは各商品の価格変動(前月比)を示したものです。マイナスは価格が下落したことを示しています。

この図を見ると一目瞭然です。エネルギー価格が大幅に下落して、CPIが下がったというのがわかりますよね。それにしても凄い下げです。一方で食品に関しては根強くインフレが続いています。

そしてコア(Commodities less food & energy)に目を向けると、まだインフレが根強いのがわかりますよね。特に住居費はCPIへの重み付けも強く3割程度あると言われていて、そいつがまだインフレ傾向にあるのはちょっと心配です。もう少し詳しく見てみましょう。

インフレの残党はどこにいるのか?

上図は住居費の変化(前年比)を示したものです。この図を見る限り、住居費のインフレがまったく収束しておらず、うなぎのぼりであるのがわかるかと思います。前述のとおり住居費はCPIの大部分を占めるので、これが収まってくれないとインフレが鎮静化したとは自信を持って言えないところです。

そして上図は先週に発表された雇用統計の結果、およびサービス業の価格変動(前月比)です。先日の雇用統計ではインフレ圧力が根強く残っていて、人件費が上昇している様子が見て取れました。人件費が大部分を占めるサービス業の価格も同じく上昇しています。ただ、住居費と違ってちょっとだけ鈍化してるようにも見えますね。ここから下がってくれることを期待しています。

これを受けて米国株はどうなる?

CPIの結果を受けて変動するのは「FF金利がどこまで上がるか?」です。その予想が右往左往することにより株価が変動します。

22年の年初から現在まではまさしく引き締めがどんどん強化される状況でした。上図のシナリオでいくと右下のマスになります。日銀は緩和続行政策ですから、米国の金利が引き上げられていって株安&円安の展開へ進みました。もし投資家として「正解」があったとするなら、それはドル現金で保有していた者です。

一方でここからCPIが鈍化してくると市場の関心は「金利の着地点がどの辺になるか?」に変わってきます。おそらくそれに影響する指標が出るたびに右下のマスと左上のマスを行ったり来たりするでしょう。つまりは一時的に株高&円高に振れることもあるかと思います。たとえば為替ヘッジありの株を持っていると、一番儲かる展開ですね。

FF金利がどこまで上がるか?

上図は金利先物市場がどれくらいの引き締めを予想しているか?を示したものです。今現在のストーリーでは22年末には引き締めが完了して、その後は3.5〜3.75%の金利を維持していく展開で織り込まれているのがわかります。このシナリオがこれから発表される指標、世界で起こる事件、などで変動していくのです。

ただ、年末から引き締めが一服する頂上が見え始めているのは確か。ここにいい具合に着地するように、株高&円高⇔株安&円安を繰り返していくと思われます。どっちに行くかは難しいけど、どっちかと言うと株高&円高側にちょっとだけ振れるかな?というのが僕の感触です。

気になるのは米国債のイールドカーブ。いびつな形をしていて不安を煽りますよね。途中で凹んでいるのがいわゆる「逆イールド」という状態です。お金を貸すのには通常長い年月を貸すほうがリスクが大きいので金利が高くなるのが自然ですよね?それがひっくり返っている状態ということ。FRBが急激に金利を上げてブレーキをかけた結果ではありますが、この後これが落ち着くかどうかは観物です。

結論:CPIは下落したけどまだまだ油断できない状況

たしかに今週はCPIが久しぶりに下振れして強気派の投資家たちは大歓喜になりました。ただ、蓋を開けて見れば下がったのはエネルギー価格が中心で、住居費やサービスは依然として高いままです。エネルギー価格はボラティリティが高いですから、またちょっとやそっとのことでCPIが一時的に上がることはあるでしょう。

本格的な景気復活に向けてはやはり住居費などのコアCPIががっつり落ち着いてくることが必要です。もうちょっとの我慢だとは思いますが、油断せずにどっしり構えていきたいものですね。言い換えると、もう少し買い場は続きそうだということです。まだまだ買ったるで〜🔥

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おまけ:資産運用おすすめ書籍

僕が実際に読んで「ほんとうに良い本だなぁ〜」としみじみ感じた名著をご紹介します。どれもめちゃくちゃ良い本ばかり。インデックス投資を始めたての方におすすめです。

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僕が一番好きな本。難しい数学的な知識を必要とせず、現代ポートフォリオ理論(≒ランダムウォーク理論)をかじれます。正直な感想を言うと全ての書いてることが興味深かったわけではありません。なので隅々まで読んだわけではないですが、理論のところはとてもわかりやすいのでおすすめです。これ読んでからWikpedia見たらだいぶ理解が進みました。

上記の本に加えてもう少しファイナンスを詳しく知りたい方向けにおすすめです。CAPMの考え方やそれをもう一歩発展させた3ファクターモデルのことも理解できます。ほかにもプライシング理論やリスク管理などの基礎知識もこれで十分わかるかと。

インデックス投資の名著中の名著です。個人投資家にとっての投資は「ミスった者が負ける」敗者のゲームになった、というのがタイトルの由来。ここで言うミスとは、市場動向に動揺して売買してしまうことを指します。いいからインデックスホールドしとけ、という本。

インデックス投資の父でありVanguard創業者のBogle氏の名著です。僕が最も尊敬する偉人でもあります。その先見性と残された功績には尊敬の念しかありません。内容はインデックス投資のベーシックな内容ですが、後半には債券との組み合わせ論などにも言及されています。全部が全部同意見というわけではありませんが、インデックス投資を志す者であれば必読書とも言ってよいかと。

ランダムウォーク理論(株価の動きはわからないという前提を置く理論)について、歴史を交えて語った本。これも名著と言われています。理論の概念はざっくりとわかるかと。歴史の部分が長くて、そこは読み飛ばしました。

本をほとんど読まない僕が唯一知ってる作家さん、橘玲さんの本。とても読みやすい文章で書かれていて、こんな文が書きたいなといつも思ってます。僕が海外株を中心に買っているのはこの本の考え方に近いです。

この本は僕が初めて読んだ投資関連の書籍。当時、個別株で失敗し、偶然思うがままに買い付けた米国株インデックスETFに出会い、それにいい感触をもっていました。その感触を自信に変えてくれた本です。

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