恐怖指数でS&P500(とNASDAQ100、レバナス)を買い増しすると積立投資に勝てるのか?

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皆さんはまとまった資金を持っているときに、下落を狙って一括投入したいという考えでしょうか?僕は以前はそんな考え方でしたが、最近はめんどくさくなって何も考えずに余剰資金を即投入スタイルで投資しています。

一方で世の中には暴落で一括狙いのタイミング投資が好きな方は多いのが実情です。それ自体を否定することはまったくありません。有名なアクティブ投資家たちは「人々が投げ売りしている時に買えたら勝ちゲー」とよく言ってますしね。最近私が好きな「投資で一番大切な20の教え」という本で、米国の有名投資家ハワード・マークス氏もそのような趣旨を述べています。

では、皆さんは市場が暴落して皆が悲観していることを知るために、何の指標が参考になると思うでしょうか?色んな指標があるかと思いますが、最も有名なのはVIX(恐怖指数)でしょうね。その指数の解説はWikipediaに任せるとして、このVIXを参考に買いタイミングを図っている人は多いようです。

僕自身も過去にスイングトレードをしていた時は、VIXを見ながらトレードをしていました。結果はあまり芳しくありませんでしたが、過去のデータで見て本当にVIXでの買い増し等が効果的だったかは調べずじまいだったのです。

というわけで、今回は久しぶりにタイミング投資ネタを計算してみたいと思います。私自身は積立派なので、決してタイミング投資を推奨しているわけではないのはご留意ください。この記事がこれからVIXでのタイミング投資を検討している方の参考になれば、それ以上にうれしいことはありません

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計算の前提

この手の計算を始めるに当たっては前提が重要です。VIXを買い増しサインに一口に言っても、手法は無限にありますからね。

上図はVIXと米国の株価指数であるWilshire5000を並べたものです。今回の前提はVIXがしきい値を上回る時に一括買い、下回る時は貯金する、という前提にしておきましょう。それで計算しておけば、「もし段階的に買い増ししたら?」という想定に対しても、回答を出すことができます。結局、例えば2つの段階にしてもリターン2つの間になるだけですからね。

計算結果:初期の資金が0の場合

というわけで結果を見ていきましょう。今回はS&P500をメインに、NASDAQ100とレバナス想定(レバ2倍)も計算しています。

S&P500

上図はS&P500についての計算結果です。横軸にはVIXを一括買いするしきい値、縦軸にはタダの積立を100%とした評価額(現金+投資分)をプロットしています。計算期間は手に入るだけ長い期間のものを用いていて、為替も考慮しました。

結果は一目瞭然でVIXのしきい値を右にパラメータで振っても積立を超える点は見当たりません。これはあくまで1990年という点からのバックテストの1例に過ぎませんが、VIXで買い時を探っても”ある値を超えたら買い”という簡素な手法では通用しなかったことを意味します。

なお前述のとおり、段階的に買い増しをしたとしても、上図の複数の点の間にくるだけなので、結局積立を超えることはできません。

NASDAQ100

続いて同じ計算をNASDAQ100でやったもの。形状は多少変わりますが、傾向は同じ右肩下がりですね。

レバナス想定では?

上図は簡易的にレバナスを模擬したものです(株価変化率を2倍にしたもの)。コストや金利差は考慮されていません。あくまでレバナス内での相対比較なので、これらが大きな影響を与えることはないでしょう(たぶん)。

これも上記2例同様、VIXでのタイミング買い増しは積立に対して意味を成していません。

じゃあ最初にまとまった資金があればどうなの?

勘のイイ方は気がついたかもしれません。上述の計算はあくまで”初期にまとまった資金が無い場合”でした。このような計算をすると、どうしても結果は最近の方の値に引きづられますから、ここ十数年好調だったVIXが低かった時期に買わずに負けたのが原因のわけです。

その影響をキャンセルする簡単な方法は、初期の資金をパラメータに計算してみることでしょう。こうすれば連続的にデータ後半の影響をパラメータにした結果を見ることができます。

というわけで、さっそく初期資金をパラメータにしてみた計算も見ていきましょう。

S&P500:初期資金パラメータ

上図は初期資金をパラメータに同様の計算を行ったものです。計算期間と初期値のイメージがつかみにくいですが、積立は週に1ずつ33年間総額1729まで投資していて、それに対する初期値だと思ってもらえると感覚がわかるでしょう。

計算結果を見ると、初期値を増やしていくとVIX20〜30付近が盛り上がり、一方で35付近から谷底のようにパフォーマンスが悪化しています。そして、VIX20〜30付近は盛上がったとは言え、最初に一括投資する場合を上回る結果を残せていません。結局はS&P500の場合は、この過去データ例に限っての話ではありますが、VIXを使って買うタイミングを狙っても脳死積立に勝てなかったということです。

NASDAQ100:初期資金パラメータ

続いてNASDAQ100も見てみましょう。傾向は同じですが、NASDAQ100の方が20〜35付近での盛り上がりが大きくなっています。そして、それを超えた先の落ち込みもすごいですねw VIX狙いだとわずかに積立に勝ててた領域はありますが、そのスウィートスポット(勝てているVIXの幅)は非常に狭いです。当然、未来は過去と同じ値動きにはなりませんから、勝てているとしてもそのVIXは広くないと有意義とは言えません(たまたま刺さっただけ)。これではVIXで買い増しをしよう、というモチベーションには到底ならないでしょう。勝ててる幅も10%も無いですしね。

レバナス:初期資金パラメータ

続いてレバナスです。結果はだいたい想像がついてたかもしれませんね。NASDAQ100をもっとドラスティックにした結果になっています。VIX35超えからの谷底はヤバいw

コレで見るとVIX25〜30付近ならレバレッジ投信だと狙ってもいいかな〜という気にはなりますね。ただ、これは下落相場で皆が総悲観な雰囲気であえてそこにレバレッジ投信で突っ込んでいく、というシチュエーションのわけです。その根性があればチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

結論:ぼくはVIXで買い増しはやりません

上図はよく引用されるVanguardのレポートからの引用です。何を言ってるかいうと、S&P500が最も上昇した日と最も下落した日は近接してやってくる、ということを言っています。つまり、VIXが高くなったら買い増し、という戦略はこの暴騰と暴落が近接した相場に一括買いで突っ込んでいく、という行為に他なりません。コロナショックの時もそうですが、ヤバい日は一日で10%前後株価が上下するものです。その1日を外すだけでものすごく将来にパフォーマンス差が生まれてしまうことでしょう。

かと言って得られるリターン差は上述のとおりです。自分の資産運用の命運を数日のランダムな動きに左右されるのは、皆さんが望む姿でしょうか?少なくとも僕は数日の買いタイミングが人生を左右するような状況にはしたくありません。

想像してみてください。VIXが高かった時には10%暴騰した日に約定して、次の日に10%下がることだってあったのです。そんなトレードになる可能性は僕は残したくないかな。

まあそもそもこんな簡単な手法で市場平均を上回ることはできませんよ。プロが市場平均に9割負けるのがこの世界ですから。僕が上記の計算に費やしたのはグラフを綺麗にする時間も含めて1時間ほどです。そんなにこの世界は甘くないでしょう。

とは言え、大底で買えたときの快感も、それもまた事実です。VIXで買い増しというのは誰しもが考えることだと思いますが、もしそうした検討にこの記事が役に立てば、この上なくうれしいです。ついでにチャンネル登録もしてね!

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おまけ:資産運用おすすめ書籍

僕が実際に読んで「ほんとうに良い本だなぁ〜」としみじみ感じた名著をご紹介します。どれもめちゃくちゃ良い本ばかり。インデックス投資を始めたての方におすすめです。

以下の中にはKindle Unlimited(月々980円 読み放題)のサービスで利用できるものもありますのでチェックしてみてください。Kindle Unlimitedは無料期間もたまにあります、いつかはわからないけど。

これは最近複数の視聴者さんに紹介してもらって購入した本です。主張は題名どおり「余剰資金が出たら即刻インデックス投資せよ」というもので、僕も思想とほぼ一致しています。また、前半部分では「節約には限界がある」「収入を増やす努力をしよう」という主張もされていて、その辺も共感できる部分は多いです。とてもいい本だと感じましたので、よかったら手にとってみるとよいかと思います。

これは最近視聴者さんに教えてもらった本です。株式投資や資産運用の考え方を学ぶのに、とても素晴らしい名著だと思いました。著者はインデックス投資にも精通していることが伺える一方で、各個人の資産運用は人としての合理性も考慮すべきと説いてます。株式投資のリターンは「リスク(値動き)の対価」をわかりやすい例も含めて明示してくれていて、投資初心者の方にぜひ読んでみてもらいたい本ですね。

これは僕が最近読んでよかったと思ってる本です。マクロ経済における金利の重要性を懇切丁寧に説明してくれています。金利が経済の基本であることを再認識させられました。初心者でも読みやすいように書かれていて、とくに予備知識は必要ありません。投資タイミングに活かせるかと言えばそこは同意しかねますが、金利による経済の定性的な動きを理解するのはこれで十分と思いました。

米国の著名投資家ハワード・マークス氏の著書で、彼の著書はなんとあのウォーレン・バフェットのお気に入りらしいw バークシャー・ハサウェイの株主総会でこの本を配ったというウワサも残っています。ハワード・マークス氏自体はインデックス投資にも一目を置くアクティブ投資家で、市場平均に勝つのは難しいと認めつつもどうすれば勝てるか?を色々とアドバイスしてくれる本です。

僕が一番好きな本。難しい数学的な知識を必要とせず、現代ポートフォリオ理論(≒ランダムウォーク理論)をかじれます。正直な感想を言うと全ての書いてることが興味深かったわけではありません。なので隅々まで読んだわけではないですが、理論のところはとてもわかりやすいのでおすすめです。これ読んでからWikpedia見たらだいぶ理解が進みました。

上記の本に加えてもう少しファイナンスを詳しく知りたい方向けにおすすめです。CAPMの考え方やそれをもう一歩発展させた3ファクターモデルのことも理解できます。ほかにもプライシング理論やリスク管理などの基礎知識もこれで十分わかるかと。

インデックス投資の名著中の名著です。個人投資家にとっての投資は「ミスった者が負ける」敗者のゲームになった、というのがタイトルの由来。ここで言うミスとは、市場動向に動揺して売買してしまうことを指します。いいからインデックスホールドしとけ、という本。

インデックス投資の父でありVanguard創業者のBogle氏の名著です。僕が最も尊敬する偉人でもあります。その先見性と残された功績には尊敬の念しかありません。内容はインデックス投資のベーシックな内容ですが、後半には債券との組み合わせ論などにも言及されています。全部が全部同意見というわけではありませんが、インデックス投資を志す者であれば必読書とも言ってよいかと。

ランダムウォーク理論(株価の動きはわからないという前提を置く理論)について、歴史を交えて語った本。これも名著と言われています。理論の概念はざっくりとわかるかと。歴史の部分が長くて、そこは読み飛ばしました。

本をほとんど読まない僕が唯一知ってる作家さん、橘玲さんの本。とても読みやすい文章で書かれていて、こんな文が書きたいなといつも思ってます。僕が海外株を中心に買っているのはこの本の考え方に近いです。

この本は僕が初めて読んだ投資関連の書籍。当時、個別株で失敗し、偶然思うがままに買い付けた米国株インデックスETFに出会い、それにいい感触をもっていました。その感触を自信に変えてくれた本です。

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