ハイリターンは必ずハイリスク!リターンと価格変動の関係を調べてみた

資産形成&節約
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みなさん、”よい投資先”という漠然とした質問に対してどのようなイメージを抱くでしょうか?一般的にはリターンが大きくて、リスク(変動)が少ない銘柄のことを言うそうです。僕もそんなイメージ。

リターンさえよければいいんじゃないのか?

と思われる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、そうではありません。

投資において一番多い失敗は価格変動に動揺して冷静さを失い、意図しないタイミングで売買してしまうことです。特に長期投資では多くの方が暴落に動揺して売りさばき、その後の価格上昇を見て再参入できない状況に陥っています。それだけ精神的な安定が重要な要素なのです。それは細かい銘柄選び(信託報酬などの違い)よりもずっと重要なこと。

そして一般的には「リターンが大きいとリスクも大きい」と言われています。それは確かに僕も感じるところです。今回はその感覚が正しいかどうかを実際にデータを調べて確認してみたいと思います。この記事がこれから投資を始めようとする方の参考になれば、それ以上にうれしいことはありません。

代表的な指数のリスク vs リターンの関係

というわけで、さっそくデータを調べてみました。ぼくはインデックス投資家なので、ここでの銘柄例は指数とすることにします。過去10年分の1日あたり平均変動率とトータルリターン(年率)を分析した結果がこちらです。

やはり予想どおり右肩あがりの分布になっています。つまり、リスクを大きくとればそれだけ期待リターンも大きくなるという関係です。言い換えれば、極端にローリスクハイリターンを標榜する商品は詐欺商品だと言う意味でもあります。必ず儲かる!とかそういうやつ。

投資は「虎穴に入らずんば虎子を得ず」です。リスクのない先にリターンはありません。

どの指数を選ぶのかは自分の精神力で決める

では、現在まとまった現金を持っていてこれから投資にチャレンジしようとする方にとってどう投資するのがよいか?僕なりの考えを表現してみました。それが以下の表です。(オリジナルなので意味不明です、すみません)

表の中の数字は”精神力”をレベルで表現したもの。つまり、精神力に自信があればレベル6から参入するのがいいですし、自信がないのならレベル1からトライしていくのがよい、ということです。インデックス投資をするのであれば銘柄は上記でほぼ事足りるでしょう。

と言っても、精神力の測り方なんて明確な基準はありません。ここでは仮に計算をしてみて、自分が堪えられるかを想像するしかないです。たとえば現金資産1500万円から始める場合を考えてみましょう。その場合、月々であれば125万円ずつの投資になります。

一方でこれらの指数が激しく値動きするときは、だいたい以下のような数値感になるとしましょう。

  • S&P500:2.5%
  • NASDAQ100:3.0%
  • レバナス:6.0%

すると一括投資の場合(レベル4〜6)、これぐらいのマイナスが一日でやってくることになります

  • S&P500:-37.5万円
  • NASDAQ100:-45万円
  • レバナス:-90万円

これらの値動きを想像してみて、ご自身の精神を安定させられるかを想像してください。もし自信があればレバナスに一括で参入するのが最も合理的です。しかし、多くの人にとっては月収を超えるマイナスが一日でやってくるので、少なからず冷静さを失うことでしょう。

その分、分割投資で参入すればこの変動は1/12ずつ毎月増えていき、精神力をトレーニングすることができます。例えばS&P500であれば-3万円程度だし、レバナスでも-7.5万円程度です。ぼくは少しでも自信がないのなら、一年かけて分割投入するのがよいかなと思います。値動きに慣れることはけっこう辛いですよ。仕事をするモチベーションを失いかけますからねw

結論:リスクが大きいものは儲かるが精神力がなければ堪えられない

釈迦・仏陀の似顔絵イラスト

ここまで述べてきたように長期投資に最も重要なのは精神力であることは間違いありません。必ずくる暴落時に動揺することなく、淡々と投資を続ける鉄の心臓が必要です。暴落時の不安は想像を絶します。コロナの時も、

ぼく
ぼく

ひょっとしたらこれが10年続くんじゃ・・・

と先の見えないトンネルのような不安が襲ってくるのです。

最近のように株価が調子いいときは、人はその精神力の大切さを忘れがちになります。必ず上がると楽観視して莫大な額をリスクの大きい対象に投資してしまうと、絶対に冷静さを保てません。そうして狼狽売りして退場する人がめちゃくちゃたくさんいるのです。上がるときは急速に上がるので、狼狽売りすると損した気分になって二度と参入できなくなります。

この精神力もトレーニングが必要です。誰しも合理的にはレバナスやらのハイリスク商品のほうが儲かるのはわかっています。折り合いをつけなければいけないのは自分の精神力なのです。絶対に堪えられる自信があるのなら、レバナスに全力投資でも僕は全く問題ないと思います。ただ、自分の精神力を把握できていなければ、暴落時に退場する可能性は極めて高いでしょう。

もしこれからまとまった金額を投資しようと思っている方は、ぜひ自分自身のことを理解してから分割にするか一括にするか、はたまたS&P500にするかレバナスにするか、を決めてください。少しでも不安な気持ちがあるなら、1年かけて毎日 or 毎月に分割投資することをおすすめします。長期投資において1年間なんて大したものではないです。1年後には強い精神力を手にしていることでしょう。

ちなみに僕は精神修行を終えて解脱の域に到達しているので、価格変動(≒煩悩)に囚われることはありません。これからはレバナスだけ買います。

おまけ:資産運用おすすめ書籍

僕が実際に読んで「ほんとうに良い本だなぁ〜」としみじみ感じた名著をご紹介します。どれもめちゃくちゃ良い本ばかり。インデックス投資を始めたての方におすすめです。

以下の中にはKindle Unlimited(月々980円 読み放題)のサービスで利用できるものもありますのでチェックしてみてください。Kindle Unlimitedは無料期間もたまにあります、いつかはわからないけど。

2024年の年初に亡くなられた山崎元さんの遺作。内容は父から息子への手紙をイメージして、資産運用や生き方のアドバイスをおくるというもの(実際に送られた手紙の内容もあります)。涙なしには読み切れない名作でした。投資における主張はいつもの著者のものと全く同じ。ブレないところが山崎さんの良さですね。ぜひ読んでもらいたい一冊。

かつて日本の長者番付で一位になったサラリーマンとして話題になった清原達郎氏の初めての著書。これまでメディアにほとんど出てこなかった氏の赤裸々な体験談が多数載せられています。内容は初心者向けではありませんが、どこにでも溢れているインデックス投資を勧めるだけの本に飽きた方にはとても面白いはず。かく言う私もその一人(笑)純粋な読み物としてとても面白いです。

これは最近複数の視聴者さんに紹介してもらって購入した本です。主張は題名どおり「余剰資金が出たら即刻インデックス投資せよ」というもので、僕も思想とほぼ一致しています。また、前半部分では「節約には限界がある」「収入を増やす努力をしよう」という主張もされていて、その辺も共感できる部分は多いです。とてもいい本だと感じましたので、よかったら手にとってみるとよいかと思います。

これは最近視聴者さんに教えてもらった本です。株式投資や資産運用の考え方を学ぶのに、とても素晴らしい名著だと思いました。著者はインデックス投資にも精通していることが伺える一方で、各個人の資産運用は人としての合理性も考慮すべきと説いてます。株式投資のリターンは「リスク(値動き)の対価」をわかりやすい例も含めて明示してくれていて、投資初心者の方にぜひ読んでみてもらいたい本ですね。

これは僕が最近読んでよかったと思ってる本です。マクロ経済における金利の重要性を懇切丁寧に説明してくれています。金利が経済の基本であることを再認識させられました。初心者でも読みやすいように書かれていて、とくに予備知識は必要ありません。投資タイミングに活かせるかと言えばそこは同意しかねますが、金利による経済の定性的な動きを理解するのはこれで十分と思いました。

米国の著名投資家ハワード・マークス氏の著書で、彼の著書はなんとあのウォーレン・バフェットのお気に入りらしいw バークシャー・ハサウェイの株主総会でこの本を配ったというウワサも残っています。ハワード・マークス氏自体はインデックス投資にも一目を置くアクティブ投資家で、市場平均に勝つのは難しいと認めつつもどうすれば勝てるか?を色々とアドバイスしてくれる本です。

僕が一番好きな本。難しい数学的な知識を必要とせず、現代ポートフォリオ理論(≒ランダムウォーク理論)をかじれます。正直な感想を言うと全ての書いてることが興味深かったわけではありません。なので隅々まで読んだわけではないですが、理論のところはとてもわかりやすいのでおすすめです。これ読んでからWikpedia見たらだいぶ理解が進みました。

上記の本に加えてもう少しファイナンスを詳しく知りたい方向けにおすすめです。CAPMの考え方やそれをもう一歩発展させた3ファクターモデルのことも理解できます。ほかにもプライシング理論やリスク管理などの基礎知識もこれで十分わかるかと。

インデックス投資の名著中の名著です。個人投資家にとっての投資は「ミスった者が負ける」敗者のゲームになった、というのがタイトルの由来。ここで言うミスとは、市場動向に動揺して売買してしまうことを指します。いいからインデックスホールドしとけ、という本。

インデックス投資の父でありVanguard創業者のBogle氏の名著です。僕が最も尊敬する偉人でもあります。その先見性と残された功績には尊敬の念しかありません。内容はインデックス投資のベーシックな内容ですが、後半には債券との組み合わせ論などにも言及されています。全部が全部同意見というわけではありませんが、インデックス投資を志す者であれば必読書とも言ってよいかと。

ランダムウォーク理論(株価の動きはわからないという前提を置く理論)について、歴史を交えて語った本。これも名著と言われています。理論の概念はざっくりとわかるかと。歴史の部分が長くて、そこは読み飛ばしました。

本をほとんど読まない僕が唯一知ってる作家さん、橘玲さんの本。とても読みやすい文章で書かれていて、こんな文が書きたいなといつも思ってます。僕が海外株を中心に買っているのはこの本の考え方に近いです。

この本は僕が初めて読んだ投資関連の書籍。当時、個別株で失敗し、偶然思うがままに買い付けた米国株インデックスETFに出会い、それにいい感触をもっていました。その感触を自信に変えてくれた本です。

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