下落時に一括買いするのと積み立てはどちらがいい?計算してみた結果

資産形成&節約
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みなさんはいつも投資をするタイミングはどのように決めていますか?ぼくは基本的に給料日に余剰資金を都度スポット買いする”積み立て”で買っています。何も考えなくていいですし、ルールを決めて実行するだけなので精神的な負担も少ないのが魅力ですよね。

一方で最近のような下落相場では必ずこんなことを言う人が出てきます。

投資の醍醐味のひとつとして底で買えたときってのは楽しいことは否定しません。しかしながら、このような投資スタイルは現金を沢山持っていないと意味がないので順調に上昇しているときには機会損失にもなり得ます。定期積立と比べて一体どちらが優れているのでしょうか?気になって仕方ありません。

というのも、僕は年初や昨年末の高値圏の時に何も考えずにレバナスを購入しており、思いっきり下落パンチを食らったからですw やっぱり皆の言う通り下落局面でだけレバナスに手を出すべきだったかな〜と思ったりしちゃうんですよね。

今回はコツコツ積み立てする投資スタイルと下落を待って一括投入するスタイルのどちらが良いかを検証してみます。さらに下落を待つ場合は何%の下落でインするのが良いかも検討してみましょう。みなさんはどちらが優れていると思いますか?ぜひ予想しながら以下を読んでいってください。この記事がインデックス投資にチャレンジしようとする方の少しでも参考になれば、それ以上にうれしいことはありません。

※なお、下記の計算は過去の結果に基づくものなので、将来も同じ結果になるとは限りませんのでご注意ください。

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まずは下落待ち一括買いを定義しておく

今回の検討ではあまり難解な判断をしたくないので、わかりやすい買い方をすることにします。具体的には最高値からの下落率しきい値 X を決めておき、そのXよりも下げ幅が大きくなったら一括投入するとしましょう。この大幅下落が起きるまでは現金を蓄えておく作戦です。

その他の期間や比較する指標は以下のとおり。

期間は2010年〜の米国株が右肩あがりで成長しながら時々がっつり下がる場面もあった時代をチョイスしています。また、比較指標としてはリターンはもちろんシャープレシオでも評価してみましょう。シャープレシオが大きいと安定的に成長するため精神的な負担が少なくなります。シャープレシオについての解説は以下の記事をご覧ください。

結果はどんな感じになった?

というわけで早速結果を見ていきましょう。今回はS&P500はもちろん、NASDAQ100とレバナスも評価しています。

①S&P500(SPYで計算)

上図では定期積立とともに5%と15%の下落待ちもプロットしてみました。まずは5%下落待ちと定期積立をした場合を見比べるとほとんど差がないことがわかります。結局下がったところで買おうがリターンは大きくならないのです。

さらには暴落をピンポイントで刺す買い方をした場合は顕著にリターンが落ちています。これは暴落というのはめったにこないので、単純に機会損失をしているという意味ですね。米国株はジリジリと上げる場面が多いですから、そういうシーンで常に差をつけられ続けたということになります。

このグラフでは一括投資する下落幅を横軸にとり、リターンとシャープレシオを整理しています。これを見ると意外や意外、下落したシーンを狙うことでリターンが下がっていくのが明らかです。もっと儲かるのかと思っていましたが、そうではないみたいですね〜。

一方でシャープレシオは下落10%待ち付近までは上昇していきます。シャープレシオが上昇するということは、この場合においては変動(リスク)を感じるシーンが少なくなったということです。底で買ってみなさんが喜んでいるのはこのようなシャープレシオを実感していることかもしれません。ただしリターンで見ると定期積立に負けてるんです。なかなか不思議な結果ですよね。

しいて言うと5%下落時を狙って投資すればリターンはほぼ同等でシャープレシオを上げられてますので、その辺が狙い目かな?

② NADAQ100(QQQで計算)

こちらは同様の分析をNASDAQ100でやったものです。こちらもS&P500と同様の傾向ですね〜。下落幅17%狙いからがっつり機会損失しててかわいそうな感じになってます。これを見ても定期積立でいいやってのが結論でしょうか?

こちらも強いて言えば5%下落くらいが狙い目のようです。シャープレシオの改善は見込めるので、精神的に楽になりたければこの手法はありですね〜。

③ レバナス(QLDで計算)

同様にレバナスでも計算してみたのがこちら。なお、ここでは下落幅の判断は元指数(NASDAQ100)に基づいているのでご注意ください。レバナスの下落幅でやるとわかりにくいからね。

当然NASDAQ100と同じ傾向になります。下落待ちをすることにより定期積立に対してリターンは下がりつづけるものの、下落幅4%〜5%あたりまではリターンを維持しながらシャープレシオの改善を見込めそうです。

上図はチャートにて推移を分析してみたものになります。定説では「大きく下落したときに短期投入するのがレバナスの使い方」と言われていますが、実際に下落局面がいくつか存在する場面で計算してもそのような結果にはなりません。10%下落待ちと定期積み立ての成績はほぼ同じですし、17%下落程度の暴落で満を持して一括投入しても積み立てには全く歯が立たないのです。なんならシャープレシオも下がってますから、もはや暴落待ちは意味がないのかもしれません。

結論:下落待ちはリターンにメリットなし、シャープレシオは改善する

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上記の計算をしてみて僕自身がいちばん驚きました。下落待ちってリターンにもメリットがあると思っていたからです。リターンを重視される方であれば、迷いなく積み立て買いがベストな選択肢になります。買い方も楽ですし、失敗することも少ないでしょう。

一方で下落待ちをするとシャープレシオの改善は確認できました。底で買って喜んでいる人はほとんどがシャープレシオの改善を感じて喜んでいるというのが事実です。リターンは積み立てのほうが多いですからね。

ただシャープレシオの改善は単純に無視できるものではありません。なにせ投資は精神力の勝負です。買い方ひとつで精神的ストレスを軽減できるのであれば、それはやるに値する作戦だとも思います。もしやるとしたら、4〜5%下落でインすると良いと思われます。ぼくはもうひとつ「めんどくさいかどうか」という指標もあるのでやるつもりはないですが・・・。

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