みなさん、資産運用は既に始められていますか?僕は2013年に個別株を始めて依頼、もう9年目に突入してました。歴だけは長いベテランです。
このブログやYouTubeでも感じるのは、投資を始めようという50代の方が多いこと。退職後の資金を真剣に考える過程で資産運用に行き着くことが多いのだと思います。この年代の方からの質問がとても多いです。
その中でも「どんなポートフォリオがよいですか?」と聞かれることが多々あります。中々悩ましいのですが、今回自分の経験も振り返って「初心者の方にはどういうのを勧めるとよいだろう?」と真剣に考えてみました。この記事がこれから資産運用を開始する方の参考になれば、それ以上にうれしいことはありません。
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大前提:よいポートフォリオとは?
みなさんは「よい投資商品」と聞くと、どんなことを思い浮かべるでしょうか?このブログでも度々ご紹介していますが一般的には変動が小さくてリターンが大きいものが良いとされます。上図のBのような動きですね。
その素性の良さを表す指標として「シャープレシオ」というものがよく使われます。上の式で表されるものです。Rfは無リスク資産のリターンで、日本ではほぼ0です。ゆえに、変動(σ)あたりのリターン(μ)をシャープレシオは意味します。
いきなり意味不明な図を持ってきてすみません。実は僕も中身はあまり理解していないですw けれども結論はとてもシンプルです。
上図の点はある会社の株価で、株価の日々の変化を追えばσ(変動=標準偏差)とμ(リターン)は計算できます。それらを沢山集めてきたとき(分散投資するとき)のσとμを考えると、μはそれぞれの株のμに比率をかけて足したものにしかなりませんが、σは変動ですので上手に足すと打ち消し合って小さくすることができます。その性質を利用して、あるμを決めた時に最もσが小さくなる点を集めて線にしたのが「効率的フロンティア」と呼ばれるものです。
この線上で最もシャープレシオ(傾き)が大きくなるのは☆の箇所になります。偉い人がここを計算してくれてあって、その点が時価総額加重平均で表されることが示されているのです。
時価総額加重平均とはつまり、S&P500やVTIなどのようなインデックスなのです。すごくシンプルな結論ですよね〜。なので、ポートフォリオにはこれら時価総額加重平均の商品を買うだけでOKというわけ。
時価総額加重平均の銘柄には上記のようなものがおすすめです。どれを買っても大差はありません。
ポートフォリオの作り方
それでは実際にポートフォリオを設計していきましょう。手順はたったの3つでOKです。
①リスク許容度を自己分析する
インデックス投資は値動きが小さいとは言え、れっきとした株式投資です。暴落時には最悪-50%まで下がることがあります。リスク許容度の自己分析とはこの”半分になっても大丈夫”という金額を自分に問いかけることに他なりません。
もし投資資金が1000万円ある人の場合の自己分析例を上に示しています。500万円失ってもいい場合は株に100%振り分ければそれでOKです。一方で絶対に譲れない損失額があるのであれば、上記のようにリスクをコントロールしてください。ここでの甘い見通しなどによる設計ミスが長期投資失敗に繋がります。
②買う銘柄を決める
銘柄は前述の表から決めていただければOKです。大差ないとは言いつつも、一応動きの特徴だけ見ておきましょう。以下は5年チャートです。
しいて言えばS&P500がよさそうですが、とくにどれを選んでも大差はないでしょう。現代PF理論の理想から言えばVTがベストです。ただ、近年はGAFAMが非常に好調だったため、S&P500が引っ張られていますし、さらにはNASDAQ100はもっと成長しました。まあ好きなのを買ってください。
③リスク許容度に応じて買い付ける
初心者の方が一番悩むのが一括投資か分散投資か?でしょう。ぼく個人の意見としては一括投資がよいと思っています。できるだけ長く市場にいることが利益につながるためです。
一方で退場しないことが重要なので分割投資で慣らしていくのも悪くない選択だと思います。ただ、分割している間に暴落がこなくて、分割投資をし終わった後に暴落がきたら一括に負けることをご承知おきください。結局はギャンブルだしどうにもならないので腹をくくりましょう。
余談:この本が面白かったです
これら現代PFを知ったきっかけはこの本です。
数学的には詳しい解説はありませんが、非常に平易な言葉で説明してくれてあります。僕らアマチュア投資家には十分すぎる内容です。なかなか読み応えがあって面白いのでぜひ読んでみてください。
結論:インデックスをリスク許容度に応じて買うだけ
あまりにシンプルな結論に帰着してすみません。けれども現代PF理論に基づいて考えると、これがベストだと思うのは事実です。
実際に僕はS&P500に全力投資するというこの理論そのままの投資方法でそれなりに資産を成長させてきました。極めて優秀なポートフォリオだと自分では思っています。
ここから上級者になるには、現金比率が0%になってもなおリターンに満足がいかないときです 。そうしたときにレバレッジを発動させるなりしてブーストをかけるようにしてください。現金の余力がなくなった次のステップがレバレッジです。レバレッジ投信は必然的に普通のインデックス投資よりもシャープレシオが下がりますから、全力投資してなお勝負に出る人以外は使わないほうがよいかと思います。
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投資を学ぶなら:資産運用ですごく勉強になる書籍
僕が実際に読んで「ほんとうに良い本だなぁ〜」としみじみ感じた名著をご紹介します。どれもめちゃくちゃ良い本ばかり。インデックス投資を始めたての方におすすめです。
以下の中にはKindle Unlimited(月々980円 読み放題、初めてだと30日無料キャンペーンもある)のサービスで利用できるものもありますのでチェックしてみてください。
この本は僕が初めて読んだ投資関連の書籍。当時、個別株で失敗し、偶然思うがままに買い付けた米国株インデックスETFに出会い、それにいい感触をもっていました。その感触を自信に変えてくれた本です。僕と同じく、初めて投資書籍を読まれる方にはこの本を最初にオススメします。
投資に関するネット記事は数あれど、最も有名で価値ある記事はコレなのでは?という記事の書籍版です。ぜひ投資書籍の2冊目に読んでほしい一冊としてピックアップしました。これを読むだけで本当に資産運用が完結する内容になっていて、僕も当時衝撃を受けました。もちろん書籍版の内容の本質はネット記事とほぼ同じですが、理論編がわかりやすく改定されていたり、読みやすくなっています。
インデックス投資の名著中の名著です。個人投資家にとっての投資は「ミスった者が負ける」敗者のゲームになった、というのがタイトルの由来。ここで言うミスとは、市場動向に動揺して売買してしまうことを指します。いいからインデックスホールドしとけ、という本。インデックス投資家の教養として読むべき本です。
これは僕が最近読んでよかったと思ってる本です。マクロ経済における金利の重要性を懇切丁寧に説明してくれています。金利が経済の基本であることを再認識させられました。初心者でも読みやすいように書かれていて、とくに予備知識は必要ありません。投資タイミングに活かせるかと言えばそこは同意しかねますが、金利による経済の定性的な動きを理解するのはこれで十分と思いました。
この本はKindle Unlimitedの読み放題サービスで提供されていることが多いです。Kindle Unlimitedは初めてであれば30日無料体験が使えるので、それで読み切ってしまうのもいいかと思います。僕はそうしました。
これは最近複数の視聴者さんに紹介してもらって購入した本です。主張は題名どおり「余剰資金が出たら即刻インデックス投資せよ」というもので、僕も思想とほぼ一致しています。また、前半部分では「節約には限界がある」「収入を増やす努力をしよう」という主張もされていて、その辺も共感できる部分は多いです。とてもいい本だと感じましたので、よかったら手にとってみるとよいかと思います。
これは最近視聴者さんに教えてもらった本です。株式投資や資産運用の考え方を学ぶのに、とても素晴らしい名著だと思いました。著者はインデックス投資にも精通していることが伺える一方で、各個人の資産運用は人としての合理性も考慮すべきと説いてます。株式投資のリターンは「リスク(値動き)の対価」をわかりやすい例も含めて明示してくれていて、投資初心者の方にぜひ読んでみてもらいたい本ですね。
2024年の年初に亡くなられた山崎元さんの遺作。内容は父から息子への手紙をイメージして、資産運用や生き方のアドバイスをおくるというもの(実際に送られた手紙の内容もあります)。涙なしには読み切れない名作でした。投資における主張はいつもの著者のものと全く同じ。ブレないところが山崎さんの良さですね。ぜひ読んでもらいたい一冊。
米国の著名投資家ハワード・マークス氏の著書で、彼の著書はなんとあのウォーレン・バフェットのお気に入りらしいw バークシャー・ハサウェイの株主総会でこの本を配ったというウワサも残っています。ハワード・マークス氏自体はインデックス投資にも一目を置くアクティブ投資家で、市場平均に勝つのは難しいと認めつつもどうすれば勝てるか?を色々とアドバイスしてくれる本です。
僕が一番好きな本。難しい数学的な知識を必要とせず、現代ポートフォリオ理論(≒ランダムウォーク理論)をかじれます。正直な感想を言うと全ての書いてることが興味深かったわけではありません。なので隅々まで読んだわけではないですが、理論のところはとてもわかりやすいのでおすすめです。これ読んでからWikpedia見たらだいぶ理解が進みました。
上記の本に加えてもう少しファイナンスを詳しく知りたい方向けにおすすめです。CAPMの考え方やそれをもう一歩発展させた3ファクターモデルのことも理解できます。ほかにもプライシング理論やリスク管理などの基礎知識もこれで十分わかるかと。
インデックス投資の父でありVanguard創業者のBogle氏の名著です。僕が最も尊敬する偉人でもあります。その先見性と残された功績には尊敬の念しかありません。内容はインデックス投資のベーシックな内容ですが、後半には債券との組み合わせ論などにも言及されています。全部が全部同意見というわけではありませんが、インデックス投資を志す者であれば必読書とも言ってよいかと。
ランダムウォーク理論(株価の動きはわからないという前提を置く理論)について、歴史を交えて語った本。これも名著と言われています。理論の概念はざっくりとわかるかと。歴史の部分が長くて、そこは読み飛ばしました。
本をほとんど読まない僕が唯一知ってる作家さん、橘玲さんの本。とても読みやすい文章で書かれていて、こんな文が書きたいなといつも思ってます。僕が海外株を中心に買っているのはこの本の考え方に近いです。
かつて日本の長者番付で一位になったサラリーマンとして話題になった清原達郎氏の初めての著書。これまでメディアにほとんど出てこなかった氏の赤裸々な体験談が多数載せられています。内容は初心者向けではありませんが、どこにでも溢れているインデックス投資を勧めるだけの本に飽きた方にはとても面白いはず。かく言う私もその一人(笑)純粋な読み物としてとても面白いです。
社会保険料がホットな話題として挙げられることが増えました。本書はその社会保険料の節約として最も有名な「マイクロ法人スキーム」のきっかけになった名著です。いま巷で使われているマイクロ法人という言葉は、この書籍で初めて使われたと言われています。もしマイクロ法人設立に興味があれば、まずは最初のバイブルとして読破しておくべき一冊です。
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