最近流行りのレバナスは本当に長期投資に不向きなのか検証してみた

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みなさん、「レバナス」という投資商品を聞いたことはありますか?最近流行っていて、どこでもレバナスと言っている人を見かけますよね。

レバナスとはNASDAQ100指数にレバレッジ2倍をかけた投資信託のことを指します。こういう商品が流行るあたりバブルの前兆かなぁとも思わずにはいられません。

しかしそこで食わず嫌いをするのはもっと愚かなことです。流行っているからには理由があるはずですし、現に今までレバナスを買わずに機会損失をしてきています。悔しい気持ちでレバナスを叩きたくなる気持ちもわかりますが、ここでは先入観を捨てて今ブームのレバナスは買う価値があるのか?また一般的に”長期投資に不向き”と言われるのは本当か?を検証してみました。この記事がこれから投資を始める方の参考になれば、それ以上に嬉しいことはありません。

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レバナスを今までやらなかった理由と反省

特に最近になってレバナスのブームは盛り上がっている傾向ですが、商品自体は2019年ごろからあって存在自体は知っていました。なぜその時にやらなかったのか?というのはひとえに

ぼく
ぼく

レバレッジ商品は「減価」があって長期投資に向かないんじゃないかな

という思いがあるからでした。

ただ、最もよくないのはそれらがメディアの記事を読んで鵜呑みにしてしまった結果だということです。自分で検証することなく、長期投資に向かないと決めつけてしまっていました。これはとても反省しています。

上図はよくレバレッジ商品が長期投資に向かないと説明されるときに使われる計算です。基準が横ばいの局面ではレバレッジをかけたものは下がっていってしまいます。これがいわゆる減価のこと。

しかし、これはあくまで基準が横ばいになったときのことを説明しているにすぎません。我々がインデックス投資をするのは基準が右肩上がりになることを期待しているはずです。重要なのは右肩上がりになるシーンでレバレッジがどう効くかを知ることではないでしょうか?それに基準が横ばいだったり、下落したりすると損失が大きくなるのは当たり前です。そういう商品ですから。

指標が成長する場合のレバレッジの効果

まずは基準をS&P500に見立てて計算してみました。前提は上図のとおり、S&P500をだいたい模したものにしています。

結果を見ると10年の長期投資でレバレッジ3倍だと評価額は基準に対して4倍に成長しているのがわかります。これを大きいと捉えるか小さいと捉えるかですね。ぼくは変化率に3倍かかってて、かつ、10年も複利効かせているのに4.5倍で収まるのは意外に効果が小さいなとも思いました。それがいわゆる減価の影響でしょうかね。ただ、フラットな目で見れば安定成長する指標に対してはレバレッジは一概に長期投資に不向きとは言えないと言える結果でしょう。

変動量でレバレッジの効果はどうなるか?

上図は年率の成長とレバレッジを固定し、変動率を変えた場合の結果を示しています。この図からわかるように変動が大きい商品ほど減価が効いてパフォーマンスが落ちてますね。なので、レバレッジをかける商品は変動が少ないものが好ましいのです。インデックス投資は比較的変動が少ないですから、レバレッジと相性がいいのでしょう。レバナスも理にかなってます。

また、この結果はレバレッジの倍数をむやみに大きくしてもどこかでパフォーマンスが頭打ちになることも示しています。パフォーマンスが変わらないのに下落時のリスクだけとるのはアホくさいですから、レバレッジ2倍というのはその辺を勘案して設定されたものなのでしょう。たぶん。

成長率とレバレッジの関係は?

次にもうひとつのパラメータである成長率を振った結果がこちらです。縦軸の指標が 評価額/基準評価額 と比になっていることにご注意ください。意味は基準に対してレバレッジでどれくらいパフォーマンスが上がったか?というもの。つまりはレバレッジかける意味があるかどうかを言っています。

この結果は先程の減価の結果からも予想できましたが、成長する指標のほうがレバレッジは効果的に働いてくれるのがわかります。変動少なく、安定して成長する指標に対してはレバレッジは効果が得やすいのです。

補足:レバレッジ倍数はデカければいいわけではない

たとえ成長する指標でも変動がおおきいとレバレッジ倍数大で負けることもある
逆に変動が少なくも成長が小さければ倍数大きいほうが負ける

上記の検討からレバレッジ倍数が大きいほどいいというわけではないとわかると思います。具体的には上のグラフのように成長していく場合でも変動が大きくなればレバレッジ倍数が大きいと負けることもあります。また変動が同じでも成長率が低ければレバレッジ倍数が大きいほうが負けるのです。

つまりは基準となる指標がどれくらいの変動でどれくらいの成長を見込むかによってレバレッジ倍数を設計することが肝要ということ。その点、レバナスは2倍程度といい感じになってるのではと思います。もちろんレバレッジ倍数を大きくとると下落シーンでは思いっきり食らってしまいますので、期待リターンが同じならレバレッジをできるだけ低くしなくてはなりません。

ぼくのレバレッジ投資作戦

ここまでの分析から必ずしもレバレッジ商品が長期投資に向かないとは言えないのが理解できました。基準が成長すればその分レバレッジの効果も上がるという素晴らしい商品だと思います。

これらの特徴を踏まえて、もし僕が使うならどうするかを考察してみました。作戦は2つです。

①下落時の腹いせに購入する

人生は長いですから、その道中では必ず暴落シーンが訪れます。気持ちは沈みますがインデックス投資家からすればそれはチャンスです。特にレバレッジ商品には適した環境になると思われます。

というのも、当たり前ですが暴落直後は単調増加になりやすく、変動が少なくて右肩上がりがしばらくは続きやすいからです。上記のグラフも暴落後は変動が極めて少なく回復していってます。この上がり方がレバレッジ商品に適した動きです。めちゃくちゃセオリー通りで面白くないのですが、こうした下落シーンの腹いせに購入するにはレバナスはもってこいの商品だと思います。

②ベース資産とは別の攻めの資産として積み上げる

ぼくの現状の資産はほぼ全てS&P500です。そのため、最悪の最悪を考えれば半減くらいする可能性があります。しかしながら、半減しても2871万円残るので野垂れ死にはしません。生活も8年くらいは不自由なく送れる見込みですし。これはすでに現状の資産が安全資産として十分機能することを意味しています。

安全な資産があるのなら、もっと攻めることもできますよね!今後上積みしていく資産はレバレッジを効かせるのもありだなと感じました。ただ、暴落時はとんでもなく下がると思われるので、レバナスは”最悪紙くず”という覚悟は必要だと思います。S&P500は最悪半分だけどレバナスは紙くずです(大事なことなので2回言いました)。そのためS&P500をレバナスに移すようなことはやりません。あくまで余剰分をレバナスで攻めるのがいいかなと思っています。

結論:レバナスは上手く使えば長期投資にも向いてる

これまでレバレッジ商品は長期投資に向いていないと信じていた自分にとって、今回の検討は目からウロコでした。同時にもっと早くからやっておけばよかったなとも感じています。まあ資金の大半がレバナスなのは怖すぎるけどね・・・。

今までS&P500で積み上げてきた資産はセーフティネットとして有効に使い、自信を持ってレバレッジ商品にトライしてみたいなと思います。流行りのレバナスもいいですし、ETFならSPXL(S&P500のレバレッジ3倍)も魅力的ですね。

とりあえずは下落シーンでスポット的に購入するところから手をつけていくつもりです。

おまけ:資産運用おすすめ書籍

僕が実際に読んで「ほんとうに良い本だなぁ〜」としみじみ感じた名著をご紹介します。どれもめちゃくちゃ良い本ばかり。インデックス投資を始めたての方におすすめです。

以下の中にはKindle Unlimited(月々980円 読み放題)のサービスで利用できるものもありますのでチェックしてみてください。Kindle Unlimitedは無料期間もたまにあります、いつかはわからないけど。

2024年の年初に亡くなられた山崎元さんの遺作。内容は父から息子への手紙をイメージして、資産運用や生き方のアドバイスをおくるというもの(実際に送られた手紙の内容もあります)。涙なしには読み切れない名作でした。投資における主張はいつもの著者のものと全く同じ。ブレないところが山崎さんの良さですね。ぜひ読んでもらいたい一冊。

かつて日本の長者番付で一位になったサラリーマンとして話題になった清原達郎氏の初めての著書。これまでメディアにほとんど出てこなかった氏の赤裸々な体験談が多数載せられています。内容は初心者向けではありませんが、どこにでも溢れているインデックス投資を勧めるだけの本に飽きた方にはとても面白いはず。かく言う私もその一人(笑)純粋な読み物としてとても面白いです。

これは最近複数の視聴者さんに紹介してもらって購入した本です。主張は題名どおり「余剰資金が出たら即刻インデックス投資せよ」というもので、僕も思想とほぼ一致しています。また、前半部分では「節約には限界がある」「収入を増やす努力をしよう」という主張もされていて、その辺も共感できる部分は多いです。とてもいい本だと感じましたので、よかったら手にとってみるとよいかと思います。

これは最近視聴者さんに教えてもらった本です。株式投資や資産運用の考え方を学ぶのに、とても素晴らしい名著だと思いました。著者はインデックス投資にも精通していることが伺える一方で、各個人の資産運用は人としての合理性も考慮すべきと説いてます。株式投資のリターンは「リスク(値動き)の対価」をわかりやすい例も含めて明示してくれていて、投資初心者の方にぜひ読んでみてもらいたい本ですね。

これは僕が最近読んでよかったと思ってる本です。マクロ経済における金利の重要性を懇切丁寧に説明してくれています。金利が経済の基本であることを再認識させられました。初心者でも読みやすいように書かれていて、とくに予備知識は必要ありません。投資タイミングに活かせるかと言えばそこは同意しかねますが、金利による経済の定性的な動きを理解するのはこれで十分と思いました。

米国の著名投資家ハワード・マークス氏の著書で、彼の著書はなんとあのウォーレン・バフェットのお気に入りらしいw バークシャー・ハサウェイの株主総会でこの本を配ったというウワサも残っています。ハワード・マークス氏自体はインデックス投資にも一目を置くアクティブ投資家で、市場平均に勝つのは難しいと認めつつもどうすれば勝てるか?を色々とアドバイスしてくれる本です。

僕が一番好きな本。難しい数学的な知識を必要とせず、現代ポートフォリオ理論(≒ランダムウォーク理論)をかじれます。正直な感想を言うと全ての書いてることが興味深かったわけではありません。なので隅々まで読んだわけではないですが、理論のところはとてもわかりやすいのでおすすめです。これ読んでからWikpedia見たらだいぶ理解が進みました。

上記の本に加えてもう少しファイナンスを詳しく知りたい方向けにおすすめです。CAPMの考え方やそれをもう一歩発展させた3ファクターモデルのことも理解できます。ほかにもプライシング理論やリスク管理などの基礎知識もこれで十分わかるかと。

インデックス投資の名著中の名著です。個人投資家にとっての投資は「ミスった者が負ける」敗者のゲームになった、というのがタイトルの由来。ここで言うミスとは、市場動向に動揺して売買してしまうことを指します。いいからインデックスホールドしとけ、という本。

インデックス投資の父でありVanguard創業者のBogle氏の名著です。僕が最も尊敬する偉人でもあります。その先見性と残された功績には尊敬の念しかありません。内容はインデックス投資のベーシックな内容ですが、後半には債券との組み合わせ論などにも言及されています。全部が全部同意見というわけではありませんが、インデックス投資を志す者であれば必読書とも言ってよいかと。

ランダムウォーク理論(株価の動きはわからないという前提を置く理論)について、歴史を交えて語った本。これも名著と言われています。理論の概念はざっくりとわかるかと。歴史の部分が長くて、そこは読み飛ばしました。

本をほとんど読まない僕が唯一知ってる作家さん、橘玲さんの本。とても読みやすい文章で書かれていて、こんな文が書きたいなといつも思ってます。僕が海外株を中心に買っているのはこの本の考え方に近いです。

この本は僕が初めて読んだ投資関連の書籍。当時、個別株で失敗し、偶然思うがままに買い付けた米国株インデックスETFに出会い、それにいい感触をもっていました。その感触を自信に変えてくれた本です。

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