皆さん、法人の決算はどのようにやっているでしょうか?ここ最近は自営業から法人成りをする人も増えているらしく、ひとり法人の社長であるという方も少なくないと聞きます。そのような人にはこの決算申告は法人運営の最も難易度の高いハードルのひとつですよね。
私は昨年までは税理士さんにお願いして決算申告をしていました。けれども、その当時に決算申告が一瞬で済んだことに驚愕。「これは僕でも簡単にできるんじゃないか」と思って、今年から自力で法人の決算申告をすることにしました。

そこでの強い味方が「全力法人税」。このソフトはマネーフォワードなどの会計ソフトからデータを読みこんで、小難しい法人の決算申告用の書類を作り上げてくれるものです。私も多くの方と同様にこのソフトを使うつもりでした。けれども、そう簡単にいかないのがこの界隈。ここで困難にぶち当たって数時間悪戦苦闘しました。今回はその備忘録として残しておこうと思います。この記事がこれから全力法人税を使って申告される方の参考になれば、それ以上にうれしいことはありません。
引っかかったこと:投信売却時の源泉徴収税が返ってきてない?

まず前提として、僕が経営している法人での事業から説明しておきましょう。主にこのブログを運営したり、アフィリエイトリンクからの収入を得るのがこの法人の事業になっています。それに加えて重要なのが「資産管理事業」です。具体的には投資信託を法人名義で購入して、その運用も事業としています。
基本的な構想としてはメイン事業だけでは赤字になっていて、その赤字を投資信託の売却益で相殺するようなものです。すなわち、重要なポイントとしては売却益を赤字で相殺するので、運用益に対して税金がかからないようにしてる点があげられます。ちょうど個人の投資でいう損益通算を事業の損と運用益で相殺してる、そんなイメージ。
そして今回の問題はこの売却時に起こります。というのも、基本的には税金(法人税)を払わずに売却できるのですが、売却時の都合上で税金が源泉徴収されてしまうのです。たとえば以下の明細のように実現した利益の15.315%が源泉税として引かれているのがわかります。

ということで、法人の決算申告ではこれを取り戻さねばなりません。けれども、全力法人税の手順どおりにやると、還付金を請求するような申告書になっていないことに気づきました。どうやっても還付金の扱いになりません。
よくよく調べてみると、これは全力法人税の仕様であって、このままでは還付金が支払われないということがわかりました。
還付金をもらうためには「別表6」が必要!
結論から言うと、還付金を申請するためには別表6「所得税額の控除及びみなし配当金額の一部の控除に関する明細書」を書く必要があります。これの作成に全力法人税は対応していません。

別表6とは税額控除を申請するための書類のようです。ここに源泉徴収された分を記入して申告すれば、その分が税額控除されます。僕の場合であれば法人税は発生していない赤字企業なので、その分が還付金となるわけですね。

書き方は正直なところよくわかりません。とくに所有期間なんかは積立してる投信だと定義すらよくわからなくなるものです。意味合いとしては事業年度の間でどれくらいの期間持っていたものか?でその持っていた期間分だけ税額控除してあげよう、というものでしょう。
私の場合、投信は基本的に長期保有を目的としたもので、全体としては前期から1年以上の保有歴があります。ここは所有期間割合1になるようにして、源泉徴収ぶんはすべて還付されるように書いておきました。まあ今年は還付と言っても数百円です(笑)間違ってたらごめんなさい税務署さん、の精神でえいっと出しました。
なおここに記入した金額は、収入金額には約定金額、所得税額には源泉徴収された金額としました。保有期間はいずれも12ヶ月です。なおあまり自信はありません、参考にするなら自己責任で。複数のAIを駆使して調べた感じ、これで間違ってなさそうな感触はあります。
この別表6をパソコンで作る方法で右往左往
この別表6は国税庁のサイトにPDFファイルがあります。けれどもそれをダウンロードして記入しようとすると、改変できないようにパスワードがかかってるんですよね。これでどうしたものか…と途方にくれました。
よくよく調べてみると、Windows用のソフトでe-taxソフトというものがあるらしく、それを用いてこの別表6を作ることができるみたいなのです。まどろっこしすぎるだろ!と思いながら、申告用のWindowsPCにe-taxソフトを入れて、悪戦苦闘しつつ書類を作成しました。作成した書類はPDFファイルで出力しておけばOK。

ちなみに余談ですが、今回はすべての申告を在宅で完結させるためにWindows環境を作りました。地方税申告用のeltaxが、ウェブブラウザからでは申告できないんですよね。今回の別表6の作成については、たまたまWindows環境が手元にあったので助かりました。買ったのはコレ。今見たら値上がりしてるけど、タイムセールで1.3万円でした。申告くらいならこれで十分なスペックです。

別表6を作ったら全力法人税で決算申告書を微修正
このままでは決算申告書が税額控除されないままになっているので、それを別表6の結果と合うように修正します。具体的には別表6で作った税額控除の金額を別表4の29に記入しておきましょう。



最後の仕上げ:e-TAXで申告する
ここまで出来たらあとは簡単。作った申告書をそれぞれ国税(e-TAX)と地方税(eltax)それぞれの税務署に提出するだけです。今回の別表6だけがめんどくさいですが、これは国税の側だけに提出します。
e-taxに全力法人税から出力した申告書を添付しつつ、自分で作った別表6を別途イメージファイルとして添付しましょう。やり方はたぶんわかると思います。たぶん


この先で別表6を添付した上で、元の画面に戻ってきて次に進めばOKです。これで全力法人税で作成した決算申告書に加えて別表6が提出されるようになります。

数週間後、無事に税務署から還付金が振り込まれてました。数百円ですが、まずはちゃんと還付の意図が伝わっていたと安堵。当然これは申告が必ず正しいという意味ではありません。間違ってたらまたお尋ねがくるでしょう。数百円だからたぶんこない気がするけども
結論:全力法人税は万能ではないので要注意
最初に別表6が全力法人税に非対応というのを見たときは絶望しました。あきらめたほうがいいか、とも思いましたが、調べてみるとなんとかなるものですね。たったの数百円ですが達成感もありました。今後は含み益も乗ってきて、数千円や数万円に膨らんでくることと思います。そうなると、この還付金の有無は大きな差になってきますよね。
ちなみにこの別表6を作らずに申告すると、扱いとしてはこの源泉徴収税は損金として扱われるようです。少額ならそのままでもいいかもしれませんね。ただ今後を考えると、やっぱり税額控除として還付金で受け取るのとはけっこうな差になりそうではあります。
※なお当方は専門家ではありません。必要に応じて専門家に相談するようにしてください。
参考:マイクロ法人設立に向けて参考になる本
以下はぼく自身がマイクロ法人設立のために参考にした書籍です。これらの本を購入するのもよいですし、Kindle Unlimited の読み放題サービスの30日無料期間で読み漁るのもいいかと思います。
マイクロ法人と言えば、というのがまずこの本でしょうか。マイクロ法人という言葉はこの著者である橘玲さんが作ったものです。なので、まずはバイブル的に読むといいかと思います。ただし昨今のマイクロ法人の主目的である「社会保険料削減」とはちょっと違う方向で書かれてるので注意。あくまでバックグラウンド知識として読むといいと思います。
YouTubeの視聴者さんに教えていただいた一冊。これは実際にマイクロ法人を作る場合に読む本にいいです。平易な言葉で書かれており、税と社会保険料の両方を考えるのが大事という方針のもとで、どういう法人にすればいいかが語られています。特にマイクロ法人でなぜ社会保険料の削減に繋がるのか?などがこれを読めばだいたいわかるかと。
ちなみに同じ著者の法人に特化した書籍もあります。もし法人運営の基本について知りたければこれも読むといいでしょう。
表紙とタイトルに面食らってしまいますが、具体的な法人設立のプロセスや作業などを知りたければこの本もいいかもしれません。
かの有名人、高橋洋一さんによる会計学の入門書です。どうしても法人運営には初歩中の初歩の会計知識が必要になります。僕自身も複式簿記の意味すらよくわかっていませんでしたが、この本のおかげでなんとなくイメージはつかめるようになりました。薄く広く知っておくことがすごく重要。Kindle Unlimited の読み放題サービスで読めたと思います(2024年8月時点)
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ランダムウォーク理論(株価の動きはわからないという前提を置く理論)について、歴史を交えて語った本。これも名著と言われています。理論の概念はざっくりとわかるかと。歴史の部分が長くて、そこは読み飛ばしました。
本をほとんど読まない僕が唯一知ってる作家さん、橘玲さんの本。とても読みやすい文章で書かれていて、こんな文が書きたいなといつも思ってます。僕が海外株を中心に買っているのはこの本の考え方に近いです。
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