みなさん、資産運用は順調でしょうか?僕は最近の下落相場のおかげで全然いい気分ではありません。ロシアもケンカばかりしてるし、早く平和な日々がきてほしいものです。
以前、自分が考える最強のポートフォリオをこのブログでもご紹介しました。最強といってもVTIやオルカン、S&P500に全力するというだけのシンプルな結論です。実際に自分のほぼその考えで構成しています。ほとんどの人にとって優秀だと思うんですよね〜。それについては以下の記事をご覧ください。
一方でこんなシンプルな結論ではなく、何か別の銘柄を混ぜて最強のポートフォリオを作ってみたい、という欲もありますw なんだか自分のデッキを披露しているようで面白いじゃないですか?なので今回はS&P500に何を組合せれば良いポートフォリオになるかを考えてみたいと思います。この記事がこれから投資を始める方の参考になれば、それ以上にうれしいことはありません。
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S&P500の理想の相手とは?
S&P500とMIXするにあたって、その相手に求められる特性は大きく2つあります。ひとつはその指標も右肩あがりであること。成長が弱ければ購入する意味はあまりありませんからね。そしてメインは変動がS&P500と逆であること。変動を打ち消し合って安定的な値動きにしてくれる効果を狙います。
組合せる相手としては色々なものが想定されますが、代表的なものは債券やコモディティではないでしょうか?まずはそれらをざっと見て、使えそうなやつをスクリーニングしてみます。
①債券
上図は5年分のチャートを示しています。債券は正直知識がなくてよくわかっていないのですが、色々と探した結果このTLT(iシェアーズ 米国債20年超ETF)という銘柄が値動きが比較的大きくうまい具合にキャンセルしてくれそうな印象でした。こいつを候補にノミネートすることにします。もしもっといい債券の商品があれば、ぜひ教えていただけるとうれしいです。
②原油
次は原油を見てみます。これはひと目みて使えなさそうだな〜って印象です。そもそも右肩上がりではないし、地政学リスクに起因して動いているような印象ですね。こいつは候補から外します。
③ゴールド
続いてゴールドです。こちらはそれなりに反対向きの動きをしているようにも見えます。コロナのときにもあまり値上がりしておらず、直近のインフレにも強そうな動きをしてますね。こいつも以降の検討にノミネートしてもらいましょう。
S&P500のペアにふさわしいかを定量的に調べてみよう
というわけで、前述のとおりTLT(債券)とGLD(ゴールド)が候補として残されました。ここからは定量的な分析をしていきましょう。巷のインフルエンサーとは違い、弊ブログではしっかり分析して判断していく所存です。
比較方法は以下のとおり。
これらの商品をS&P500にMIXする目的は「変動を抑えてリターンを得る」ことですから、それはつまりシャープレシオ≒μ/σ (μ:リターン、σ:変動、標準偏差)で評価すべきです。つまりシャープレシオが大きくなればMIXの効果があったということですし、その最適MIX比率というものが存在すると思われます。今回は毎日積み立てを前提に計算してみましょう。
①TLT(債券)
上図はTLTのMIX比率とポートフォリオのシャープレシオの関係をプロットしたものです。これで見るとS&P500全力(0%の点)よりもMIXによりシャープレシオが改善しているのがわかります。そして40%あたりでピークを持ち、その点が最適であるようです。意外や意外、なかなか効果があるものですね〜。
両者の値動きで比較してみたのが上のグラフです。確かに2018年の金融引き締めによる世界同時株安やコロナショックのときにTLT(債券)がうまくヘッジになって逆転しています。効果は十分にありそうですね。これを見てみなさんはどう思われたでしょうか?ぜひ感想をお聞かせください。
②ゴールド
続いてはゴールドです。上図は先程の債券とは計算期間が異なることにご注意ください(つまりシャープレシオの絶対値で比較しないでください)。ゴールドもシャープレシオ改善に効果があるようで、この場合は50%付近に最適点があるようです。これもなかなかいい感じですね。こうなると債券とゴールドの甲乙をつけねばなりません。
債券とゴールドはどちらがよいのか?
上図は債券とゴールドについて、計算対象期間をあわせて比較したものです。そうすると明らかに債券のほうが優秀であることがわかります。もうひとつの指標として”相関係数”で比較してみると、これも債券が優れているとの結果です。つまり、ヘッジとして使用するなら債券(TLT)が一番よさそうです。これが結論!
どういう人が債券とのMIXをすべき?
上の表は以前の記事で「ポートフォリオをどう設計するか?」で述べたものです。基本は株式インデックスのみでOKで、そのリスクを「半分になる」程度で見積もるとよいというもの。例えば投資資金100万円で50万円まで損失を許容できるのなら株式に全力投資でいいでしょう、という意味を表しています。
全力投資の場合は債券の出番はありません。債券を混ぜてリスクを下げても、せっかくそれ以上のリスク許容があったものを使わないだけですからね。そしてリターンは下がりますし。これらのMIXが有効なのは上の青字のような境遇の方です。
リスク設計は簡単のために現金比率でもよいのですが、その一部を株:債券=6:4になるように債券にしておけば、上手に変動を消す効果を得られるので効果的だと思います。こう考えると、債券のMIXはS&P500全力ほどリスクはとれない方に向いているんでしょう。逆に全力よりもリターンがほしい人は債券なぞに目もくれずに一部をレバレッジ商品に置き換えていけばいいのです。実にシンプルな結論で美しい。
結論:S&P500全力のリスクをとれない人に債券MIXが有効
今回はS&P500全力投資しかしてこなかった僕が初めて真剣に組合せるペアを考察してみました。想像以上にTLTが優秀で驚きです。ぼくは全力投資なのでTLTの出る幕がないのですが、全力投資に抵抗ある場合は非常に有効な手段になると思います。
そして上記の結果は言い換えると例えば株式インデックスのレバレッジ商品と債券のレバレッジ商品を組合せるなぞというのはチグハグだということを意味しています。基本はシャープレシオを高いほうがいいですから、債券レバレッジ商品という信託報酬の高いものを使ってσを減らす(シャープレシオを上げる)のを狙うのは矛盾しているのです。
もう少し噛み砕いて述べましょう。株式にレバレッジをかけるというのはシャープレシオを犠牲にしてリターンを求める行為です(レバ物は必然的にコストがかかるため)。その手段を行使するなら、債券を混ぜてシャープレシオを上げる方向に持っていくのは何をやってるかわからない行為ではないでしょうか?(一方でシャープレシオを犠牲にし、もう一方でシャープレシオを稼ぐ行為になっています)。それをやるなら株式レバレッジ商品の比率を下げて、ベースは株式インデックス商品にすべきだと思います。インデックス商品はめちゃくちゃ手数料が安くてシャープレシオが一番よいですから。
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この本は僕が初めて読んだ投資関連の書籍。当時、個別株で失敗し、偶然思うがままに買い付けた米国株インデックスETFに出会い、それにいい感触をもっていました。その感触を自信に変えてくれた本です。僕と同じく、初めて投資書籍を読まれる方にはこの本を最初にオススメします。
投資に関するネット記事は数あれど、最も有名で価値ある記事はコレなのでは?という記事の書籍版です。ぜひ投資書籍の2冊目に読んでほしい一冊としてピックアップしました。これを読むだけで本当に資産運用が完結する内容になっていて、僕も当時衝撃を受けました。もちろん書籍版の内容の本質はネット記事とほぼ同じですが、理論編がわかりやすく改定されていたり、読みやすくなっています。
インデックス投資の名著中の名著です。個人投資家にとっての投資は「ミスった者が負ける」敗者のゲームになった、というのがタイトルの由来。ここで言うミスとは、市場動向に動揺して売買してしまうことを指します。いいからインデックスホールドしとけ、という本。インデックス投資家の教養として読むべき本です。
これは僕が最近読んでよかったと思ってる本です。マクロ経済における金利の重要性を懇切丁寧に説明してくれています。金利が経済の基本であることを再認識させられました。初心者でも読みやすいように書かれていて、とくに予備知識は必要ありません。投資タイミングに活かせるかと言えばそこは同意しかねますが、金利による経済の定性的な動きを理解するのはこれで十分と思いました。
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これは最近複数の視聴者さんに紹介してもらって購入した本です。主張は題名どおり「余剰資金が出たら即刻インデックス投資せよ」というもので、僕も思想とほぼ一致しています。また、前半部分では「節約には限界がある」「収入を増やす努力をしよう」という主張もされていて、その辺も共感できる部分は多いです。とてもいい本だと感じましたので、よかったら手にとってみるとよいかと思います。
これは最近視聴者さんに教えてもらった本です。株式投資や資産運用の考え方を学ぶのに、とても素晴らしい名著だと思いました。著者はインデックス投資にも精通していることが伺える一方で、各個人の資産運用は人としての合理性も考慮すべきと説いてます。株式投資のリターンは「リスク(値動き)の対価」をわかりやすい例も含めて明示してくれていて、投資初心者の方にぜひ読んでみてもらいたい本ですね。
2024年の年初に亡くなられた山崎元さんの遺作。内容は父から息子への手紙をイメージして、資産運用や生き方のアドバイスをおくるというもの(実際に送られた手紙の内容もあります)。涙なしには読み切れない名作でした。投資における主張はいつもの著者のものと全く同じ。ブレないところが山崎さんの良さですね。ぜひ読んでもらいたい一冊。
米国の著名投資家ハワード・マークス氏の著書で、彼の著書はなんとあのウォーレン・バフェットのお気に入りらしいw バークシャー・ハサウェイの株主総会でこの本を配ったというウワサも残っています。ハワード・マークス氏自体はインデックス投資にも一目を置くアクティブ投資家で、市場平均に勝つのは難しいと認めつつもどうすれば勝てるか?を色々とアドバイスしてくれる本です。
僕が一番好きな本。難しい数学的な知識を必要とせず、現代ポートフォリオ理論(≒ランダムウォーク理論)をかじれます。正直な感想を言うと全ての書いてることが興味深かったわけではありません。なので隅々まで読んだわけではないですが、理論のところはとてもわかりやすいのでおすすめです。これ読んでからWikpedia見たらだいぶ理解が進みました。
上記の本に加えてもう少しファイナンスを詳しく知りたい方向けにおすすめです。CAPMの考え方やそれをもう一歩発展させた3ファクターモデルのことも理解できます。ほかにもプライシング理論やリスク管理などの基礎知識もこれで十分わかるかと。
インデックス投資の父でありVanguard創業者のBogle氏の名著です。僕が最も尊敬する偉人でもあります。その先見性と残された功績には尊敬の念しかありません。内容はインデックス投資のベーシックな内容ですが、後半には債券との組み合わせ論などにも言及されています。全部が全部同意見というわけではありませんが、インデックス投資を志す者であれば必読書とも言ってよいかと。
ランダムウォーク理論(株価の動きはわからないという前提を置く理論)について、歴史を交えて語った本。これも名著と言われています。理論の概念はざっくりとわかるかと。歴史の部分が長くて、そこは読み飛ばしました。
本をほとんど読まない僕が唯一知ってる作家さん、橘玲さんの本。とても読みやすい文章で書かれていて、こんな文が書きたいなといつも思ってます。僕が海外株を中心に買っているのはこの本の考え方に近いです。
かつて日本の長者番付で一位になったサラリーマンとして話題になった清原達郎氏の初めての著書。これまでメディアにほとんど出てこなかった氏の赤裸々な体験談が多数載せられています。内容は初心者向けではありませんが、どこにでも溢れているインデックス投資を勧めるだけの本に飽きた方にはとても面白いはず。かく言う私もその一人(笑)純粋な読み物としてとても面白いです。
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