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所得税率10%以下の人のiDeCoとNISAの損益分岐点【仮説】

資産形成&節約
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みなさん、確定拠出年金はやってますか?ここ最近は政府の税制改正などで特にiDeCoのパワーアップ(改悪もw)が話題ですよね。僕もそういう話題もあってよく調べていて、直近のブログ記事でも紹介しています。

iDeCoのメリットはここで述べるまでもありませんが、拠出金額が所得控除の対象になることですよね。NISAとの優劣のイメージは以下のとおりです。

前出の記事ではとても簡単な計算で「どうやっても所得税率20%の人はiDeCoが有利」となるロジックを示しました。たぶんこれは正しいでしょう。

具体的には以下のように退職所得とそこにかかる税金を単純化して計算しただけです。

これを考えたときに、このレベルのシンプルさであれば所得税率10%以下の損益分岐も導けるかもしれない、そう思いました。今回はその目論見がきれいに上手くいったので、それを紹介したいと思います。この記事がこれからiDeCoを検討する方の参考になれば、それ以上にうれしいことはありません。

退職所得税をきっちり計算すれば所得10%未満も損益分岐が導ける

まずはiDeCoとNISAの損得を考える場合において、問題を単純化していきましょう。前回記事と同様にiDeCoの最悪ケースを考えていくことで、それをはっきりさせます。

具体的には「退職所得控除=0」と仮定してしまいましょう。最近発表された税制大綱でも退職所得控除の計算に使われる通称4年ルールが9年ルールに改悪される流れになっています。退職所得控除はこの先も変更される可能性は十分にあるので、アテにしないことにするのがいいでしょうね。

令和7年度 税制改正大綱より引用。9年ルールになるみたい、困るよねぇ

うすると退職所得は「退職金/2」という凄く簡単な計算で算出できるようになります。超すっきり!

そして税率は前回記事では45%一律にしましたが、それでは優劣が計算できません。ここでは退職金額(=iDeCoの運用評価額)をパラメータにしつつ、退職所得にかかる税金は真面目に計算することにします。それは超過累進税も考慮して計算するという意味です。

国税ウェブサイトより参照。これで真面目に計算します

こうすることでiDeCoの評価額をパラメータにしてiDeCo最悪ケースを計算することができ、有利不利を論じることができるでしょう。当然この場合はiDeCoの他にいかなる退職金をもらっていたとしても関係ありません。退職所得控除はすでに最悪ケースになっているからです。

所得税率10%以下の場合のiDeCoとNISAの損益分岐

というわけで計算した結果がこちらです。

上図は横軸にiDeCoの評価額、縦軸に税引き後の(iDeCo-NISA)の金額を示しています。プラスになるとiDeCoの勝ち、マイナスだとNISAの勝ちです。なおNISAもiDeCoと同等の運用成績として示しています。

この場合、所得税率が5%の場合だと2400万円に、10%の場合だと5600万円に損益分岐が出てくるようになります。これを見ても、やっぱり基本的にはiDeCoを優先したほうがいいというのは傾向としてわかりやすいですね。退職所得控除を使えれば、この差はさらに拡大していきますし。

けれども一方で差としての絶対金額が少ないのも事実です。この差で60歳までロックというデメリットに値するかと言われれば、ちょっと疑問でもあります。所得税率5%の人なんか50万円もメリットないわけですもんね。これなら僕もNISAをやるかもしれません。

結論:所得税率10%以下でもiDeCoが良さげだが差はメリットは小さくなる

というわけで前回の記事からさらに一歩踏み込んで、所得税率10%以下の人にも対応する計算をしてみました。個人的にはiDeCoのややこしさの全ては退職所得控除に集約されていて、そこを除けばシンプルなんだなぁというのが感想ですね。iDeCoは出口税制の改悪も着々とされていますが、さすがにこの記事の想定以上に改悪されることはないと思ってます。肝になっているのは退職所得の1/2倍ですね。これがなくなると終わりです。けれどもこれをなくすとiDeCoのメリットはほぼ皆無ですから、まあなくさないでしょう(たぶん)。

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