「普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門」はFIRE関係なく必読本だった【読書の秋】

読書
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みなさん、読書は好きですか?僕は昨年くらいからよく読むようになりました。それまでは1年に1冊も読まない、典型的活字離れ世代でしたね。おっさんになったからでしょうか?本が好きになりました。

ぼくは基本的にKindle Unlimited という月々980円で読み放題のサブスクサービスを使ってます。固定費増を極端に嫌う僕でもこのサービスはコスパいいと思う。読書は趣味かつ自己投資でもありますから、多少の支出はよいでしょう。

ただこのサービスは雑多な本が並びすぎてて、何が良い本かよくわかりません。そこで、僕が読んだ中で印象に残った本をこのブログで紹介しています。今回はこちら。

ファイナンシャルプランナーである山崎俊輔さんが、日本でFIREを志す人に向けて基礎基本を説いた書籍です。僕もFIREを目指す人間として読んでおきたいと思って読むことにしました。

著者の文章は非常にわかりやすく、すらすらと頭に入ってきます。内容もさすがFPだけあって基礎基本をしっかり抑えた内容で、初心者の僕にはとても参考になりました。著者の考え方には賛同するところも僕とは違うなーと思ったところもあったので、ここで少しかいつまんでご紹介したいと思います。

印象に残った記述をピックアップ

銭洗い中のお金の写真

第1章 FIREのキホンより

〜中略〜
そしてその流れをよくしたければ「年収をもっと増やす」「ムダな支出をへらす」「できるだけ高利回りで増やす」ということを考えていきます。

既に世の中にあるFIRE本には節約と資産運用に焦点の当てたものがほとんどです。一方で「年収をもっと増やす」に言及されたものは少ないんですよね。おそらく、この日本では職を変えることに抵抗感があるため言及しない人が多いのでしょうが、原理原則を考えると収入を増やすのは基本中の基本です。僕もこの記述を見て、その努力してないなーと考えさせられました。

第1章 FIREのキホンより

FIREのよさは、自分で自分の仕事人生の終わらせ方を決める決定権を持つことでもある

〜中略〜

「いつでも辞める自由」があることの精神的なメリットは、手に入れてみるととても気持ちいいものだということがわかります。

これはまさしく最近の自分が感じていることです。会社とは労働契約をしただけの対等な関係であって、嫌なことをやれと言われたら断れるようになりました。そのせいで特定の人から嫌味を言われようが、出世に影響するだの言われようが何とも思いません。僕の人生の目標は出世ではないからです。そういう考え方になれたのは、もとを辿れば「FIREを志した」ことでした。

いまはFIRE途中の身ではありますが仕事もけっこう好きだと思えています。FIREを志したことが好循環を生んだということです。

第2章 もっと、もっと、もっと、稼ぐ

〜中略〜
年収を増やす方法があります。それは「結婚していたら共働きを続ける」ことです。

著者は収入アップの手段のひとつとして共働きを推奨されています。たとえパートでも働くべきとの記載がありましたが、これには両手をあげて賛同はできないと思った点でもあります。

というのも、そもそもFIREは豊かで幸せな人生を目指して志すものです。アルバイトやパートのような収入に対して極めて生産性の低い仕事を無理してでもやるのは、幸せな人生を目指す者がやるべきことではありません。人生の若い時を生産性の低いことに費やすのは不幸です。目的と逆行しています。

若さがあるうちに何を経験したいか、をパートナーとよく議論することが重要です。我が家の場合は当初共働きでしたが、引っ越しに際して保育園に入れずどちらかがいったん仕事を辞める話をしました。そして、今の仕事をやりたい気持ちの強い僕が仕事を続けようと決断。妻には

ぼく
ぼく

やりたいことがあればいつでも仕事していい。ただし、お金のために仕事するのなら子どもたちとの時間に使ってほしい

とお願いして、今まで専業主婦としてサポートしてもらっています。おかげで子どもたちは毎日楽しそうだし、妻も充実しているようです。僕もイクメンブームとは逆行して、妻にある程度子どもを任せて仕事や副業に打ち込めます。FIREする前の今でも十分に幸せなんです。ここからさらなる幸せのためにFIREを目指しているのであって、FIREのために我慢や幸せでないことをするのは僕の価値観とは違うなと感じました

ただ著者が主張されていることは極めて合理的です。夫婦で協力してFIRE目指すのであれば、それはそれでありだと思います。そのほうが確実に早くFIREできますので。

ちなみに我が家では僕のFIREのために妻が協力してくれることはありません。しかし一切の干渉もありません。「好きにしろ」の精神です。これもわかりやすくておすすめ。

第5章 貯めたお金をできるだけたくさん増やす

〜中略〜
「安全・確実・高利回り」と3セットでPRしてくる金融商品は基本、詐欺

日本で「投資」にいいイメージがないのは、こういう詐欺する輩がいるからなんですよね。そしてそうした輩がいるのは引っかかる人がいるからに他なりません。FIREを目指すのであれば嘘は嘘と見抜けないといけないですよね。

僕のおすすめはそもそも金融商品取引に他人を介在させないことです。そうすれば詐欺にも遭うこともありませんし、手数料も取られません。ネット証券でETF買っとけばOKです。

第6章 FIREを実行する3つのパターン

〜中略〜
具体的なイメージを持てる人ほど、FIREに向けてつらい日々を乗り越えられるからです。

ここも前述と同じ。FIREを目指す日々が”つらい日々”というのは本末転倒のように思います。目的は幸せな人生なので、今を犠牲にはしないほうがよいかと。

第6章 FIREを実行する3つのパターン

〜中略〜
「私は早期リタイアして悠々自適だが、君は奨学金を取りなさい」というロジックは説得力がありません

著者はFIREした者は子どもに奨学金を取らせるべきでない、と一刀両断しています。この結論に至るにも特に説明はなく、若干決めつけっぽく感じとれました。

というのも僕は奨学金自体は無金利(もしくは超低金利)でお金を借りられる優れた制度でこれを活用しないのはもったいないと思うのです。特に無金利の制度なんて優秀な学生の特権なのだから借りとけばいいし、それに対して子どもに後ろめたい気持ちを持つ理由もわかりません

そんなに後ろめたいのなら返却時期になればアシストして一括で返してあげればいいだけです。支出時期をできるだけ後ろにずらすのは資産運用するもののキホンではないでしょうか?少なくとも奨学金をもらっている時期は自分の支出を減らせますから、その期間で資産の成長も見込めます。奨学金は積極的に活用すべきというのが僕の意見です。

第7章 FIREに成功したとのメンテナンス

FIREを意識したことで手に入った経済的余裕は、ふつうに暮らしてふつうにリタイアする人と比べて圧倒的です。

〜中略〜

周囲の雑音に負けてFIREへのチャレンジをあきらめないでほしい

まさしく共感するところです。会社にいると、多くの人が資産への意識の薄いのがよくわかります。よくわからないままに民間の保険料をめちゃくちゃ払いまくってる人、株は悪者と信じて全額貯金しかしてない人。まだまだ多くいます。

著者の言う通り、古い価値観にとらわれている人に耳を傾けてはいけないです。下手したら邪魔して来る人もいるくらいなので。自分が決めた道なら自分を信じて突き進むべき。それがたとえ失敗したとしてもムダにならないとも著者は述べています。とても勇気づけられました。

年金や退職金についてもわかりやすい解説

銀行の判子と通帳、引き出された10万円の写真

著者の山崎さんはFPらしく年金や退職金制度、NISAやiDeCoについてもこの書籍の中で解説してくれています。金融知識が無い人でもひと通り学べるようになっており、FIREを目指す人でなくとも読んでおいて損はありません。しかもわかりやすい。

僕としては年金や退職金について知っておくことは重要と思いますが、FIRE計画には盛り込まないほうがよいと考えています。つまり、アテにはしないほうがいいということです。

というのも制度がこの先どうなるか不透明な部分もありますし、FIREする時期で期待できる金額が変動したりと、見積もるのがややこしいです。そういう煩雑な部分は忘れて、資産運用益だけで生活できる姿を目指すのが一番シンプルでよいと思います。年金や退職金はもらえたらラッキーくらいでちょうどいい安全設計になるでしょう。

余談:FIREの4%ルールにはインフレが考慮されていない、というのは誤解?

第6章 FIREを実行する3つのパターン

実は「インフレ率+4%」にしないと4%ルールが主張する「資産が減らない」はウソなのです

これは誤りではないでしょうか?もともとFIREで主張されている4%ルールは「米国株の成長率7%程度からインフレ率の予測値3%を引いたのが4%」という意味だったと記憶しています(参照)。おそらく著者は実際の利回りと物価を加味した利回りを混同して4%ルールを理解されているのではないですかね。ただこれは誤解程度の話で、著者が主張するインフレ率も考慮しなくてはいけないことはその通りです。

結論:FIRE目指す人だけじゃなく、多くの人の金融リテラシに貢献できる書籍

FIREというとやたらと早期退職に目が行きますが、やってることはお金を貯めてるだけです。そういう意味でこの本はFIREを目指す人だけでなくて、資産形成を考えるどんな人にでも有用な内容になっていると思いました。

とくに著者の文章は読みやすくて理解しやすいため、すぐに読み終わるのもうれしいところです。年金や退職金、インデックス投資など基本については一通り語られています。最低限の金融リテラシUPとして読んでおくべき書籍ですね。Kindle Unlimitedだと読み放題だし。

おまけ:資産運用おすすめ書籍

僕が実際に読んで「ほんとうに良い本だなぁ〜」としみじみ感じた名著をご紹介します。どれもめちゃくちゃ良い本ばかり。インデックス投資を始めたての方におすすめです。

以下の中にはKindle Unlimited(月々980円 読み放題)のサービスで利用できるものもありますのでチェックしてみてください。Kindle Unlimitedは無料期間もたまにあります、いつかはわからないけど。

2024年の年初に亡くなられた山崎元さんの遺作。内容は父から息子への手紙をイメージして、資産運用や生き方のアドバイスをおくるというもの(実際に送られた手紙の内容もあります)。涙なしには読み切れない名作でした。投資における主張はいつもの著者のものと全く同じ。ブレないところが山崎さんの良さですね。ぜひ読んでもらいたい一冊。

かつて日本の長者番付で一位になったサラリーマンとして話題になった清原達郎氏の初めての著書。これまでメディアにほとんど出てこなかった氏の赤裸々な体験談が多数載せられています。内容は初心者向けではありませんが、どこにでも溢れているインデックス投資を勧めるだけの本に飽きた方にはとても面白いはず。かく言う私もその一人(笑)純粋な読み物としてとても面白いです。

これは最近複数の視聴者さんに紹介してもらって購入した本です。主張は題名どおり「余剰資金が出たら即刻インデックス投資せよ」というもので、僕も思想とほぼ一致しています。また、前半部分では「節約には限界がある」「収入を増やす努力をしよう」という主張もされていて、その辺も共感できる部分は多いです。とてもいい本だと感じましたので、よかったら手にとってみるとよいかと思います。

これは最近視聴者さんに教えてもらった本です。株式投資や資産運用の考え方を学ぶのに、とても素晴らしい名著だと思いました。著者はインデックス投資にも精通していることが伺える一方で、各個人の資産運用は人としての合理性も考慮すべきと説いてます。株式投資のリターンは「リスク(値動き)の対価」をわかりやすい例も含めて明示してくれていて、投資初心者の方にぜひ読んでみてもらいたい本ですね。

これは僕が最近読んでよかったと思ってる本です。マクロ経済における金利の重要性を懇切丁寧に説明してくれています。金利が経済の基本であることを再認識させられました。初心者でも読みやすいように書かれていて、とくに予備知識は必要ありません。投資タイミングに活かせるかと言えばそこは同意しかねますが、金利による経済の定性的な動きを理解するのはこれで十分と思いました。

米国の著名投資家ハワード・マークス氏の著書で、彼の著書はなんとあのウォーレン・バフェットのお気に入りらしいw バークシャー・ハサウェイの株主総会でこの本を配ったというウワサも残っています。ハワード・マークス氏自体はインデックス投資にも一目を置くアクティブ投資家で、市場平均に勝つのは難しいと認めつつもどうすれば勝てるか?を色々とアドバイスしてくれる本です。

僕が一番好きな本。難しい数学的な知識を必要とせず、現代ポートフォリオ理論(≒ランダムウォーク理論)をかじれます。正直な感想を言うと全ての書いてることが興味深かったわけではありません。なので隅々まで読んだわけではないですが、理論のところはとてもわかりやすいのでおすすめです。これ読んでからWikpedia見たらだいぶ理解が進みました。

上記の本に加えてもう少しファイナンスを詳しく知りたい方向けにおすすめです。CAPMの考え方やそれをもう一歩発展させた3ファクターモデルのことも理解できます。ほかにもプライシング理論やリスク管理などの基礎知識もこれで十分わかるかと。

インデックス投資の名著中の名著です。個人投資家にとっての投資は「ミスった者が負ける」敗者のゲームになった、というのがタイトルの由来。ここで言うミスとは、市場動向に動揺して売買してしまうことを指します。いいからインデックスホールドしとけ、という本。

インデックス投資の父でありVanguard創業者のBogle氏の名著です。僕が最も尊敬する偉人でもあります。その先見性と残された功績には尊敬の念しかありません。内容はインデックス投資のベーシックな内容ですが、後半には債券との組み合わせ論などにも言及されています。全部が全部同意見というわけではありませんが、インデックス投資を志す者であれば必読書とも言ってよいかと。

ランダムウォーク理論(株価の動きはわからないという前提を置く理論)について、歴史を交えて語った本。これも名著と言われています。理論の概念はざっくりとわかるかと。歴史の部分が長くて、そこは読み飛ばしました。

本をほとんど読まない僕が唯一知ってる作家さん、橘玲さんの本。とても読みやすい文章で書かれていて、こんな文が書きたいなといつも思ってます。僕が海外株を中心に買っているのはこの本の考え方に近いです。

この本は僕が初めて読んだ投資関連の書籍。当時、個別株で失敗し、偶然思うがままに買い付けた米国株インデックスETFに出会い、それにいい感触をもっていました。その感触を自信に変えてくれた本です。

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